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売値
「売値〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
売値の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「おじいさんのランプ」より 著者:新美南吉
村の雑貨屋へ、作った草鞋《わらじ》を買ってもらいによく行ったので、物には卸値と小
売値《こうりね》があって、卸値は安いということを知っていた。たとえば、村の雑貨屋....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
た私有者は、自由に、この労働力を最も能率よく使用せしめることによって、労賃以上の
売値に相当するだけの価値を有つ商品を生産せしめる。こうやって出来上った商品の価値....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
気になって、近頃は山師が入りこんで、その石灰山を買占める、正直な山持たちは、山の
売値がいくらか割がいいというところに釣込まれて、山師に山を売ると、山師が黒鍬をつ....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
のだ。あそこの赤新聞で紙を横に流したがつてゐるといふ。それ、といふので駈けつけて
売値をたしかめ、それから諸方の本屋につてを求めて買手をさがして、東奔西走、忙しく....
「青玉の十字架」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
店は繁昌しているらしい八百屋兼果物屋で、大道に並べられた品物の上には、果物の名と
売値を記した札とがたくさん立ててあった。その中で、密柑と栗の二つの山が一番人目に....
「能面の秘密」より 著者:坂口安吾
を案内しているのにその実費以外にお礼にくれたのがなんと五万円ですよ。思ったよりも
売値がわるかったので怒った気持は分らぬこともありませんがこのデフレ時代でしょう。....
「濁酒を恋う」より 著者:佐藤垢石
遠からず酒の小
売値段は、いままでの倍額となるらしい。つまり、一升三円であったものが六円というこ....
「変身」より 著者:カフカフランツ
があると有頂天になって身につけていたさまざまな家宝の装飾品も、晩にみんなが集って
売値の相談をしているのをグレゴールが聞いたところによると、売られてしまった。だが....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
のだ。貸越しをもう少し催促して取立て、前借りをもう少し引緊めて拒絶する。その代り
売値の価を廉くする。この手心一つにあった。結局、河岸の伝統を捨てて普通の商人の態....