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「売出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

売出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
の中には刑務所に対する好奇心もまじっていることは確かだった。 二月に近い往来は売出しの旗などの残っていたものの、どこの町全体も冬枯れていた。僕は坂を登りながら....
」より 著者:芥川竜之介
じちょう》、須田町の往来が、いかに美しかったかは問うを待たない。歳暮《せいぼ》大売出しの楽隊の音、目まぐるしい仁丹《じんたん》の広告電燈、クリスマスを祝う杉の葉....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
とにある。われらの技術は、まだ世界人の知識にないほど進んでいるのだ。今日われらの売出そうとする砕氷船の如きは、もはやわれらがその技術を秘密の埒内《らちない》に停....
麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
1 それは、目下売出しの青年探偵、帆村荘六にとって、諦めようとしても、どうにも諦められない彼一生....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
部に属する特務機関としての記号をM13という。このところ、数年の間に、めきめきと売出した若手の私立探偵であった。 記憶のよい読者は、彼が、いつの間にか、東京警....
地獄の使者」より 著者:海野十三
は、この工場の工員の一人であって、試験部附の缶詰係だった。つまりこの工場で、まだ売出し前の食料品を試験的に缶詰にする工程において、彼はそれの最後の仕事として、蓋....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
の式亭三馬が作った「江戸の水」があるばかりなのが、明治になって早くこの種のものを売出したのが「小町水」で、それからこれはずっと後の話ですが、小川町の翁屋という薬....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
の贔屓だったから、その祝宴にも真先に取持った。……当日は伺候の芸者大勢がいずれも売出しの白粉の銘、仙牡丹に因んだ趣向をした。幇間なかまは、大尽客を、獅子に擬え、....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
並んで門へ立って見ております。岩淵から引返して停車場へ来ますと、やがて新宿行のを売出します、それからこの服装で気恥かしくもなく、切符を買ったのでございますが、一....
土俗玩具の話」より 著者:淡島寒月
、多少変形して今日に伝ったのである。米沢の笹野観音で毎年十二月十七、八日の両日に売出す玩具であって、土地で御鷹というのは素朴な木彫で鶯に似た形の鳥であるが、これ....
『地球盗難』の作者の言葉」より 著者:海野十三
文芸欄に出たものである。三作中、これが一番マシであるように思う。この頃僕は、当時売出した江戸川乱歩氏の探偵小説を非常に愛読していた。作風のいくぶん似かよえるは、....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
金に換えんとするに、文銭は銅質善良なるを以てその実価の高きにかかわらず、政府より売出すにはやはり法定の価格に由るの外なくしてみすみす大損を招かざるを得ざるより、....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
きとして珍重されるので、疱瘡痲疹の呪いとなってる張子の赤い木兎や赤い達磨を一緒に売出した。店頭には四尺ばかりの大きな赤達磨を飾りつけて目標とした。 その頃は医....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
めていたが、正直正太夫という名からして寄席芸人じみていて何という理由もなしに当時売出しの落語家の今輔と花山文を一緒にしたような男だろうと想像していた。尤もこうい....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
工場と従業員たちで、軍から払下げられた一九式|梱包用の原紙を使い衣装ばこを作って売出し、家財道具を失った人々に好評を博したものである。 私は昭和二十八年には業....