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売出す
「売出す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
売出すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
我知らず悲しくなって参り、涙がはら/\とこぼれて来ます。そうこう致すうちに切符を
売出すので、お若さんは最うぐず/\して居られません、寧《いっ》そ神奈川とやらまで....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
は劣等品と思われて売価が低落し、もしまた優等品と認められても、これは偽銘を打って
売出すのではないかと疑われる恐があるので、世間に真価を認められるまで、遺憾ながら....
「一票の教訓」より 著者:宮本百合子
票するなら女も、と、婦人一名という工合に、気まかせに組合わされた。つまり、政府で
売出す富くじみたいに、三様に書いてみれば、どれか一つには当るかもしれないという、....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
す、それからこの服装で気恥かしくもなく、切符を買ったのでございますが、一等二等は
売出す口も違いますね、旦那様。 人ごみの処をおしもおされもせず、これも夫婦の深....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のを格別の御慈悲を以て遠島申し付けられて、この一件は落着した。 「これがまあ私の
売出す始めでした」と、半七老人は云った。「それから三、四年経つうちに、親分の吉五....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
である。年貢の納まるまでは百姓の手で米を売ることは出来ぬので、それが済めば勝手に
売出すことが出来るのである。藩は藩の手で船で大阪まで積んで行き、この留守居の手で....
「土俗玩具の話」より 著者:淡島寒月
、多少変形して今日に伝ったのである。米沢の笹野観音で毎年十二月十七、八日の両日に
売出す玩具であって、土地で御鷹というのは素朴な木彫で鶯に似た形の鳥であるが、これ....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ないかと考え、ちょうど開業六年目に当る秋の初めから、新しい設備を整えて、餅菓子を
売出すことにした。餅菓子は同じ菓子類であっても、パンとちがって、秋から冬にかけて....
「ロボットとベッドの重量」より 著者:直木三十五
…………もっているんだってね。」 「そうかい。」 「じゃあ、…………一つ作って、
売出すか。」 「君のような失恋家には、いいだろう。ロボットなら、反逆を企てないか....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
金に換えんとするに、文銭は銅質善良なるを以てその実価の高きにかかわらず、政府より
売出すにはやはり法定の価格に由るの外なくしてみすみす大損を招かざるを得ざるより、....
「ローマ法王と外交」より 著者:国枝史郎
罪障が消滅して死後天国へ行くことが出来るという調法のものなのである。法王はこれを
売出すにあたり、ドミニク派の僧侶テッチェルとその一団を馬車に乗せ諸地方を廻らせ大....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
るかも分りませんが、何分統計などのある訳でもなし、ただその商人についてどれだけ位
売出すかということを聞質したまでの事ですから本当の事は分らない。ネパールの方に出....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
からだろう。女は何になっても男の後援がなくっちゃ駄目だからな。女流作家だって少し
売出すまでには、みんな背景があるんだよ。」 その時君江が巻煙草《まきたばこ》を....
「九谷焼」より 著者:中谷宇吉郎
けて、模様を白く残したようなものだった。この玉質焼は、一年位の間に随分進歩して、
売出す位の程度になっていた。 一毫さんは、私の中学時代に死んだ。先年国へ帰った....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
芳町から手伝いに来た連中だけだってすさまじいものだった。――とにかく『矢の倉』の
売出すさかりだったんだ。」 「で、一体どんなことをしたんだ?」 「それがよ、はじ....