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売切れ
「売切れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
売切れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
うち》が見つかったが、それではどうも眠れそうもない。そうかと云って寝台は、勿論皆
売切れている。本間さんはしばらく、腰の広さ十|囲《い》に余る酒臭い陸軍将校と、眠....
「一坪館」より 著者:海野十三
顔だ。そして源一の方へ近づいて、たずねた。 「おい虻小僧。れんげ草の原っぱはまだ
売切れにならないかい。うふッ。まだ一つも売れてねえじゃねえか。どうするんだ、そん....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
た。 「僕が明日から安いカストリを仕入れてくるから、それを主として常連に売つて、
売切れたら店の品物を売る。ビールやお店のお酒はお値段を前もつて申上げて御覚悟の方....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
外でもない、乃公も欲しいと思っているんだ……」 「鄒七嫂にも話した通りですが、皆
売切れました」 「
売切れた!」趙太爺の声は調子が脱れた。「どうしてそんなに早く売....
「外米と農民」より 著者:黒島伝治
そんな連中が、飲食店に内地米の稲荷ずしでも売っているのを見つけようものなら、忽ち
売切れとなってしまうのである。 そこで宿屋や、飲食店の商売繁栄策としても内地米....
「廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
ったら、きのうのうちに三町ほど先の牡丹餅屋にあつらえて置けばよかったが、まさかに
売切れることもあるまいと多寡をくくっていたのが今更に悔まれた。遊芸の師匠であるか....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
あったばかりで競争者が少なかったのにも原因するであろうが、初版千五百部が瞬く間に
売切れて五百部再版したことはちょっと目ざましいことであった。第二号は千二百部を刷....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
と蓋して、軽く笑う。津山の懐中の方が余程大きい。 「木戸へ差しかかると満員、全部
売切れ申候だから、とにかく、連中で来て、一二度知ってるので、こちらに世話を掛けた....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
うに聞いている。 明治時代になってもやはりその通りで、一回の興行に三日か四日も
売切れると、世間では眼を丸くし、新聞でも麗々しく書き立てたものである。今から考え....
「米国の松王劇」より 著者:岡本綺堂
ことはない、しかし今度の劇は十八日から二十四日まで一週間の予定であったのを、切符
売切れのために更に三十一日まで一週間の日のべをした位であるから、二十五日以後でな....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
こでまた二、三日たってそのパルコルに出かけ、あの石鹸を二つ三つ買って置かないと、
売切れてはラサ府で買うことが出来ないと思うてその店に行ったところが、その主人は石....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
郎の長次、好評。 ○十一月、歌舞伎座にて団十郎は歌舞伎十八番の「暫」を勤め、連日
売切れの大入りを占む。 ○三月、明治座の「堀川」にて、菊五郎の与次郎、生きたる猿....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
担いで霊岸島まで往くと、鰻で飯を食うから駕籠を下せと云うから、旦那大黒屋は疾うに
売切れて有りません、春は早く仕舞いやすというのに、宜いから下せ、へーッてんで下す....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
一時に真っ黒に群ってしまった。 イワン少年の片手の銀、銀、銀、銀。 瞬く間に
売切れ、そこで、イワンはまた小躍りして、飛ぶように後を見せた。 またやって来た....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
はその仇めいた姿を毎日空地に現わした。夕方引揚げる時には鳥籠は空っぽで、雀も鳩も
売切れという繁昌ぶりだった。 達也の鷹狩熱はなかなかさめなかった。毎日雀を一羽....