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売口
「売口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
売口の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
小窓に頬杖《ほおづえ》を支《つ》いて嘲笑《あざわら》った。 縁《えん》の早い、
売口《うれくち》の美《い》い別嬪《べっぴん》の画《え》であった。主《ぬし》が帰っ....
「黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
ら言った。 「幾ら高値でも、松代さんが嫁に行げねえと同じごって、煉瓦場のために、
売口が無くて困ってのさ。世間の奴等、俺家の西洋鵞鳥、煉瓦場の松埃で黒くなったのだ....
「経済学及び課税の諸原理」より 著者:吉田秀夫
ど越えない利子を支払うのみである。一定量のかかる大蔵省証券を銀行業者は安全なかつ
売口のよい投資物として要求する。もしそれがこの需要を遥かに越えて増発されるならば....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
有利であることがわかったものである。報告の多くは穀物の低廉なことと、これに十分な
売口のないことを指摘しており、そして『共有地』の分割に関する問題を論じては、『こ....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
にあり、その購買と分配には何の困難もなく、そして粗生生産物に対しては容易な外国の
売口がある場合には、資本の利潤と労働の労賃とは高いであろう。かかる高い利潤と労賃....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
ずにやりとした。不気味な笑いだった。 「よし、今だ!」 信吉は競馬場の馬券の発
売口へ行く男のように、舞台裏から楽屋口の方へ出て行った。途端に信吉はドキンとした....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
われず候。現今俳熱頗る高き故唯一の雑誌たる『ほととぎす』はかく無責任なるにも不関
売口よき次第なるべけれど若し有力な競争者出でばこれを圧倒する事もとより難きにあら....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
《ほんやく》して書物屋《ほんや》へ売ったり雑誌へ投書したりしている。劣等生だから
売口は悪いけれども他日あの男が心の礼を天下に主張する時代が来たら外の優等生や先輩....
「野槌の百」より 著者:吉川英治
を振った。 江戸へつくと、百は、場末の木賃宿に泊りこんで、あくる日から、小柄の
売口をさがしあるいた。――といっても、破門された体なので、刀屋や本阿弥すじへは、....