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「売国奴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

売国奴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
嘘だって云うのに、あなたもよっぽど卑劣な方ね」 「卑劣は一大痛棒だね。注意人物の売国奴《ばいこくど》じゃないかハハハハ」 「だって人の云う事を信用なさらないんで....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
通りの軒を境に、火焔と毒瓦斯とが、上下に入り乱れて、噛み合っていた。 咄!売国奴 愛宕山の上では、暗黒の中に、高射砲が鳴りつづいていた。照空灯が、水色の....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
た。だが、遅かった。 「有無」を云わせない。「不届者」「不忠者」「露助の真似する売国奴」そう罵倒されて、代表の九人が銃剣を擬されたまま、駆逐艦に護送されてしまっ....
老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
分が井伊大老の開港政策を是認し踏襲しようとしているために、国賊と罵り、神州を穢す売国奴と憤って、折あらばとひそかに狙っている攘夷派の志士達は勿論その第一の敵であ....
李陵」より 著者:中島敦
過去と蘇武のそれとの対比がいちいちひっかかってくる。蘇武は義人《ぎじん》、自分は売国奴《ばいこくど》と、それほどハッキリ考えはしないけれども、森と野と水との沈黙....
弟子」より 著者:中島敦
で応じよう。しかし射という男は国を売った不臣だ。もしその保証に立つとなれば、自ら売国奴《ばいこくど》を是認することになる。おれに出来ることか、出来ないことか、考....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
ならまだいい。彼女は、フランスの資本家新聞では「淫売」であり、「ドイツに買われた売国奴」であり、また「警察の犬」でもある。 そしてフランス無政府主義同盟の機関....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
。この姿をしてうっかり市中を歩いて、例の攘夷党の志士にでも見つかろうものならば、売国奴《ばいこくど》のように罵られて、その長い刀の血祭りに会うことは眼に見えるよ....
パリの地下牢」より 著者:野上豊一郎
付き添ってるきりで、前後は警固の騎馬に護られていた。けれども熱狂した群集は彼女を売国奴と思い込み、痛罵と叫喚を投げかけるのみだった。馬車がコンコルド広場に近づく....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
ごときは、決して国民たる個人の独立行為《どくりつこうい》といわれぬ。こんなことは売国奴《ばいこくど》の所為《しょい》として誰も卑《いやし》む。それと同じく役所や....
髭の謎」より 著者:小酒井不木
うぐらいの相談をしたのだろう。 それがそもそも運のつきさ。おかげで難なく重大な売国奴を逮捕することができて、大事な秘密は外国の手に渡らずにすみ、大日本帝国万歳....
自由の真髄」より 著者:新渡戸稲造
に必要もない、明治維新の際、日本を造った人は何れも当時の幕府より見れば異論であり売国奴であり危険思想を懐いていた人々である。彼らはその一身を犠牲にしたけれども、....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
は知っている、彼は人面獣身の男であって、資本家を困らせて悦んでいる男である。彼は売国奴であり、労働運動界のユダである。彼のごとき売国奴を大阪市の市長としておくこ....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
の学生大会を開くことにした。 ところが相撲部など運動部を中心とする右翼学生が『売国奴を膺懲し、軍事研究団を応援しろ』というビラをはり、大会をつぶしにかかった。....
深夜の客」より 著者:大倉燁子
たことはありません。脱獄も今度で二度目ですが、二度とも成功でした。最初の時はある売国奴を殺つけるため、今度は罪なき囚人の死の願いを果すためです。私は忍術使いでは....