売場[語句情報] » 売場

「売場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

売場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老妓抄」より 著者:岡本かの子
と思うと、紙凧《かみだこ》の糸のようにすっとのして行って、思いがけないような遠い売場に佇《たたず》む。彼女は真昼の寂しさ以外、何も意識していない。 こうやって....
競馬」より 著者:織田作之助
奮剤《こうふんざい》のせいだ、あの馬は今日《きょう》はやるらしいと、慌てて馬券の売場へ駈《か》け出して行く。三番|片脚《かたあし》乗らんか、三番片脚乗らんかと呶....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
きに合ったのだった。暴徒の一味は、群衆が、興奮した様子につけこんで、今度は、切符売場を襲撃したのだった。金庫は、みるみる破壊され、銀貨や紙幣が、バラバラと撒き散....
柿色の紙風船」より 著者:海野十三
大変|突飛な計画だった。私はその足ですぐに日本橋の某百貨店へ行った。そこの貴金属売場へゆくと、誰にも発見されるような万引をやった。果して私は逮捕せられてしまった....
デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
って喬介の質問に答えた。 「野口君は昨夜宿直だったのです。と言うのは、各々違った売場から毎晩順番の交代で宿直するのが、この店の特種なになっているのです。昨晩の宿....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
に出して云いながら、部屋の中をぐるぐる尋ね廻った揚句、咄嗟に思いついて入口の横の売場へ来た。かの女は少し息を弾ませて訊いた。洋服を着た若い店員は、びっくりして直....
金属人間」より 著者:海野十三
もなく、にぎやかすぎるほどの楽隊の楽士たちも、どこへ行ったかすがたがなく、表の札売場《ふだうりば》はぴったりと閉じられ、「都合により本日休業」のはり紙が四、五枚....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
ろうにと、仏は思ったことである。 ロンドン行の切符をアンが買った。そのとき切符売場で駅員とアンの間になにかごたごた押問答の場面があったが、アンが旅券みたいなも....
」より 著者:池谷信三郎
らかっていた。喫煙室では地所の売買が行われていた。待ち呆けを喰わされた男が、時計売場の前で、しきりと時間を気にしていたが、気の毒なことに、そこに飾られた無数の時....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
八組の踊りの連中が車馬の往来を止めていた。日頃不愛想だという評判のキャフェの煙草売場の小娘が客の一人に抱えられていた。まだ昼前なので遠くの街から集まって来た人達....
暗号数字」より 著者:海野十三
。銀座の帝都百貨店の洋酒部とある。 かれはすぐその足で、地下一階にある洋酒部の売場に近づいた。 ぶらりぶらりと客を装いながら洋酒売場を物色するうちに、彼は遂....
競馬」より 著者:犬田卯
買っていなかったのかと、そんなことが後悔されはじめた。彼は再び人混みを分けて馬券売場の方へ近づいて行った。見るとそこには勝負ごとに、熱狂し狂乱して、押し合い、へ....
余齢初旅」より 著者:上村松園
とてもいい紋様の布地があったのでそれを五、六寸きって売ってくれと言ったところが、売場の支那人が切るのは困ると言ってどうしても売ってくれない。するとちょうど売場の....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
ぶちまけた話ですが、万事、ちっとでも、楽屋の方で御心配を下さらないように――実は売場で切符を買ってと思いましたがね。」 「そんな水臭いことを……ご串戯で。」 「....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
まった。ぼくはうす暗くなった店の中をわがもの顔で歩きまわって、下着やくつ下などの売場から、ふかふかしてあたたかそうな下着やくつ下をとりだして身につけた」 「ほっ....