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売払う
「売払う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
売払うの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
を出て、どこか下宿でも、と考えながらもそれを言い出せずにいた矢先に、父がその家を
売払うつもりらしいという事を別荘番の老爺《ろうや》から聞きました。 父の議員の....
「文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
事であります。松の傍《かたわら》に石を添える事はあるでしょうが、松を切って湯屋に
売払う事はよほど貧乏しないとできにくい。せっかくの松を一片の煙としてしまうともう....
「家」より 著者:島崎藤村
形の家を仕舞うに就いては、何か家具の中に望みの品はないか、どうせ古道具屋に見せて
売払うのだから、とお雪に話した。「真実に惜しいと思いますわ……でも、どうすること....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
徳兵衛の貧乏いよいよ迫り、ことしの暮は夜逃げの他に才覚つかず、しのびしのび諸道具
売払うを、町内の顔役たちが目ざとく見つけ、永年のよしみ、捨て置けず、それとなく徳....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
には悪ごすい奴がだんだん殖えて来やがって、生活難だの復興難だのに藉口して、仏像を
売払う輩が多くなった。まさか本尊さまを売飛ばすわけには行かないが、それと並べてあ....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
田を通じてよく相談するがよかろう。 家屋はできるだけの手を尽して、なるべく早く
売払うことにしたいが、なかなかそう思うようにも行くまい。やむを得なければ、その間....