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「売物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

売物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
下した所へ来て見ますと、いつの間にか鯉鮒《こいふな》合せて二十|尾《び》もいた商売物《あきないもの》がなくなっていたそうでございますから、『大方《おおかた》劫《....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
十円 雑誌三冊、絵本一冊 二円九十銭 ◯きょう見た売物 魚 ほうぼう 十尾(浅草) 十円 〃 冷凍サバ 一尾(蛎殻町) ....
春昼」より 著者:泉鏡花
薪炭の荷を廻し、追々材木へ手を出しかけ、船の数も七艘までに仕上げた時、すっぱりと売物に出して、さて、地面を買う、店を拡げる、普請にかかる。 土台が極ると、山の....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
、別荘づくりは相応わしからぬ、とついこのさきの立石在に、昔からの大庄屋が土台ごと売物に出しました、瓦ばかりも小千両、大黒柱が二抱え。平家ながら天井が、高い処に照....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
あ、よう和女、顔へ疵もつけんの。」 と、かよわい腕を撫下ろす。 「ああ、それも売物じゃいうだけの斟酌に違いないな。……お客様に礼言いや。さ、そして、何かを話し....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
を見せる気にもなったし、意気な男で暮したさに、引手茶屋が一軒、不景気で分散して、売物に出たのがあったのを、届くだけの借金で、とにかく手附ぐらいな処で、話を着けて....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
段々店が寂れまして、家も蔵も旧のようではなくなりました。一時は買込んだ田地なども売物に出たとかいう評判でございました。 そうこういたします内に、さよう、一昨年....
黒百合」より 著者:泉鏡花
て、衣紋も緩げ、左の手を二の腕の見ゆるまで蓮葉に捲ったのを膝に置いて、それもこの売物の広告か、手に持ったのは銀の斜子打の女煙管である。 氷店の白粉首にも、桜木....
一寸怪」より 著者:泉鏡花
転居をするような仕末、一時は非常な評判になって、家の前は、見物の群集で雑沓して、売物店まで出たとの事。 これと似た談が房州にもある、何でも白浜の近方だったが、....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
崎に居た年増に貸してあったが、その婦人は、この夏、弁天町の中通に一軒|引手茶屋の売物があって、買ってもらい、商売をはじめたので空家になり、また貸札でも出そうかと....
式部小路」より 著者:泉鏡花
、土間には大根を土のまま、煤けた天井には唐辛。明らさまに前の通へ突出して、それが売物の梨、柿、冷えたふかし藷に、古い精進庖丁も添えてあったが、美術家の目にはそれ....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
たので幼ない児供を残して国を飛出した。性来|頗る器用人で、影画の紙人形を切るのを売物として、鋏一挺で日本中を廻国した変り者だった。挙句が江戸の馬喰町に落付いて旅....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
知っていた。(この「小説八宗」は『雨蛙』の巻尾に載っておる。)それ故、この皮肉を売物にしている男がドンナ手紙をくれたかと思って、急いで開封して見ると存外改たまっ....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
て怪まない今の政界にあっては沼南は実に鶏群の一鶴であった。 が、清廉を看板にし売物にする結果が貧乏をミエにする奇妙な虚飾があった。無論、沼南は金持ではなかった....
活人形」より 著者:泉鏡花
二人は立上りぬ。高田は高見に見物して、「これこれ台無しにしては悪いぜ。「なあに、売物だ。面に疵はつけません。 泰助は、幕の蔭よりこれを見て、躍り出んと思えども....