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売約
「売約〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
売約の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ゼーロン」より 著者:牧野信一
同情を惜まなかった。なぜならば経川のかような作品ならば、即座に莫大な価格をもって
売約を申込む希望者が群がっていたからである。人物を選むならば、なぜ村長や地主をモ....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
ら口に出しては云わなかった。 展覧会場の交渉、刊行物や美術団体への紹介、作品の
売約口など闊達の勢いで取り計った。逸作に云わすと、画家が作品を携帯している以上、....
「人間腸詰」より 著者:夢野久作
中で退屈|凌ぎに作った箱根細工のカラクリ箱が、まだ博覧会の初まらねえ中にスッカリ
売約済みになる。六の親父をお雪の旦那のピイピイモルガンて奴が買いに来るってなアン....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
あ、これですか」 老商チャンは、それを取出して客に見せた。チャンは、立花先生と
売約が成立したことを忘れているような態度で、気軽に三日月形の黄金メダルをだしてみ....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
た自動車へ埋まるかも知れない。道理で展覧会開催中、あの幾百枚の油絵の中で、何点が
売約されるかを注意してみると、まったく驚くべき少数の絵が買われて行くに過ぎない。....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
した。 小径づくりの植木溜《うえきだめ》に植えてあるウズラ梅やタチバナの枝に、
売約済のシュロ繩が結びつけてあった。この離屋を借りた日から、ひいきにしていた花木....
「ヒウザン会とパンの会」より 著者:高村光太郎
冬彦氏(寺田寅彦博士)が夏目漱石氏と連れ立って来場され私の油絵や斎藤与里の作品を
売約したことである。当時洋画の展覧会で絵が売れるなどと言うことは全く奇蹟的のこと....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
が八百円のものをこしらえて出すとすると、その価格の半額を政府で補助し、もしそれが
売約になればその代金も補助費もすべて作家の方へくれるので、その上出品は作家の名で....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
当出来るものには、一年も経つと、手伝いをさせた手間として幾分を分ち、また出品物が
売約されたり、御用品になったりした時には、その半額を本人にやったりして、私自身の....
「虹と感興」より 著者:上村松園
。 ところが、須磨の藤田彦三郎さんが、ぜひこの屏風が欲しいといわれて、早速その
売約を申し込まれたのでしたが、ほんの一っ時違いで、すでに弘前の某氏が
売約されたた....