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売薬
「売薬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
売薬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
ごえ》をやった時の、麓《ふもと》の茶屋で一緒《いっしょ》になった富山《とやま》の
売薬という奴《やつ》あ、けたいの悪い、ねじねじした厭《いや》な壮佼《わかいもの》....
「愚人の毒」より 著者:小酒井不木
てその遊女を身請けさせ、一方、未亡人の意志を尊重するためひとまずY区に別居させて
売薬店を開かせ、当分出入りを禁じたのであります。ところが、未亡人は勝ち気な人であ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
。 「ええ、御覧なさい。其処中、それ巡拝札を貼り散らしたと申すわけで、中にはな、
売薬や、何かの広告に使いまするそうなが、それもありきたりで構わんであります。 ....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
活なるかのように思っていた。 渠等の多くは京伝や馬琴や三馬の生活を知っていた。
売薬や袋物を売ったり、下駄屋や差配人をして生活を営んでる傍ら小遣取りに小説を書い....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
やらあぶないらしい。 愚図愚図している間に、金はなくなる。風をひいて、おまけに
売薬のために腹をこわす。無一文のまま、一週間ばかり断食して、寝て暮した。 よう....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
か何か、私にはまだはっきりと判らない、それというのが、どうも自分の仕事がほとんど
売薬とか雑貨とかいう風に、店を開いて待ったとしても、向うから自発的に買いに来る人....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
はめったにない。もし僕が何かの匂いを思いうかべるとしても、僕の指にしみ込んでいる
売薬の悪い匂いだろうよ。噂によると畏友ラッパチーニは、アラビヤの薬よりも更にいい....
「大阪発見」より 著者:織田作之助
を縫いこんで置き、自分もまた他の一匹を身に帯びた。 ちかごろヴィタミンCやBの
売薬を何となく愛用している私は、いもりの黒焼の効能なぞには自然疑いをもつのである....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
する。どうだね、可哀想だとは思わないかね。」 「そうさな。まさか私だって、縁日の
売薬みたいに、あれを看板に懸けちゃ置かん、骨を拾った気なんだから、何も品物を惜み....
「老夫婦」より 著者:黒島伝治
だが清三の頭痛は次第にひどくなってきた。熱もあるようだ。おしかは早速、富山の
売薬を出してきた。 清三の熱は下らなかった。のみならず、ぐん/\上ってきた。腸....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
に取り巻かれ、気忙しそうに喋舌っていた。 「近来|流行る『ままごと』の中へ、この
売薬を一袋、どうでも入れなければ嘘でござんす! 名に負う蘭人の甲必丹から、お上へ....
「北斗帖」より 著者:違星北斗
術なりと 北斗の指は右に左に 売る俺も買う人も亦ガッチャキの 薬の色の赤き顔かな
売薬の行商人に化けて居る 俺の人相つく/″\と見る 「ガッチャキの薬如何」と人の....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
そのあくどさに於いて、古今東西それに匹敵するものは一つとしてない。 まず、彼は
売薬業者の眼のかたきである医者征伐を標榜し、これに全力を傾注した。「眼中仁なき悪....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
引いてどうにも仕方がないものですから、自分自ら血を取り、それからラサ府のシナ人の
売薬店へ薬を買いに行って服みましたところがさっそく癒りました。
四月七日....
「手風琴」より 著者:小川未明
っぱな容器の中にはいって、ちゃんと効能書きがついている。田舎だって、もうこうした
売薬は、はやらないだろうと思いました。 「こうして、歩きなさって、薬が売れますか....