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壺皿
「壺皿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
壺皿の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「入れ札」より 著者:菊池寛
れ、読み上げてみねえ。 喜蔵 よし、合点だ。 (皆は、緊張して目をかがやかし、
壺皿を見つめるような目付で、喜蔵の手元を睨んでいる) 喜蔵 (折った紙片をひ....
「勝負事」より 著者:菊池寛
賭場でも『旦那旦那』と上席に座らされたそうですから、つい面白くって、家も田畑も、
壺皿の中へ叩き捨ててしまったのでしょう。むろん時々は勝ったこともあるのでしょうが....
「時間」より 著者:横光利一
り心を向けていると考えたがる癖のある六尺豊かな高木、賭博が三度の食事よりも好きで
壺皿の中の賽《さい》の目《め》を透視する術ばかり考えている木下、仏さまと皆からい....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
子を育てずに置れべきかと、遂に五歳のお辰をつれて夫と共に須原に戻りけるが、因果は
壺皿の縁のまわり、七蔵本性をあらわして不足なき身に長半をあらそえば段々悪徒の食物....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
りきは、こんなことは小手調べの前芸だよと言わぬばかりの面をして、 「本来は、この
壺皿を左の手にもって、右で振込むやつをこう受取るんでげすが、手が足りねえもんです....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
箱を控え、銀ごしらえの長脇差を引きつけ、正面の位置に坐っていた。 中盆――即ち
壺皿を振る奴、それが目差す八五郎であったが、晒の下帯一筋だけの、素晴しく元気のい....
「魔都」より 著者:久生十蘭
かさま》賽はどんなものかというと、これは賽の中に金粉をいれて作ったもので、これを
壺皿にいれると居据ったまま転がらない。伏せると
壺皿に入れた時出ていた裏目が出る。....
「わが寄席青春録」より 著者:正岡容
ないが、朝寝朝酒朝湯はもちろんのこと、彼らのコーチよろしく、勝負事の嫌いな私が、
壺皿を伏せて丁半の真似事までやったりした。 なにしろ家庭がつまらなくて、原稿料....
「入れ札」より 著者:菊池寛
りかけているものさえあった。 「おい! みんな」 忠次は、改めて呼び直した。『
壺皿見透し』と、若い時|綽名を付けられていた、忠次の大きい眼がギロリと動いた。 ....