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変ずる
「変ずる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
変ずるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
ちず、富士の中腹に群《むら》がる雲は黄金色に染まって、見るがうちにさまざまの形に
変ずる。連山の頂は白銀の鎖《くさり》のような雪がしだいに遠く北に走って、終は暗憺....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
ほかならない。しかるに、更に否定が優勢を示して極限に近づく時には「いき」は渋味に
変ずるのである。荷風の「渋いつくりの女」は、甘味から「いき」を経て渋味に行ったに....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
間を隔《へだ》てていても、道を迷うた旅人は嬢様が思うままはッという呼吸《いき》で
変ずるわ。
と親仁《おやじ》がその時物語って、ご坊は、孤家《ひとつや》の周囲《....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
分りません、けれど此のポール・レペルに取っては極く極く容易な問題です、髪の性質を
変ずる丈でも近頃は毎日一人以上の貴婦人客が尋ねて来ます」
第七十九回 一点の望....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
一六五六―一七四二年)は彼の観測の結果から、若干の恒星は数世紀の間にはその位置を
変ずること、そうしてわずかティコ・ブラーヘのときから一七世紀の終までの間にさえ既....
「長篠合戦」より 著者:菊池寛
重代の鎧八領のうちの一つ、共に武田家の重宝であって、一度、これに誓う時は、何事も
変ずる事が出来ない掟であったのである。かくて信玄以来の智勇の武将等の諫言も、つい....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、幾|升の糧米と、一羽の赤い雄※と、一升の酒とを或る蛮人に贈って、生きながら虎に
変ずるの秘法を伝えられたのであった。 雷車 東晋の永和年中に、義興の周と....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
女の身体の内部から、おのずから湧き出る恋心は、コンヴェンショナルな女をも自然児に
変ずる力がある。その純なる感情の流れに従って生きるとき、女はやすやすと伝説を破っ....
「「別居」について」より 著者:伊藤野枝
その虚栄心を見すかされるということが、またたまらなく厭なことでした。私はそこで大
変ずるいことを考えました。といって、その時は自分でそれがずるい考えだと意識した訳....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
て行くに連れて、次第に霧が起り、月がかくれて、ほとんど名状すべからざるありさまに
変ずるがごとく見て取った。 鶏鳴暁を報ずる時、夜のさまが東雲にうつり行く状は、....
「妖怪学」より 著者:井上円了
え、これを禽音なりと予期して聞くときは禽音となりて聞こえ、その声わが思想によりて
変ずるなり。鶯声を聞きて「法華経となく」と思えば法華経となりて聞こえ、鵑声を聞き....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
によりて起こるゆえんを知るべし。 しかるにまた、脳髄中の思想作用の、不覚作用に
変ずることあるゆえんを考うるに、その不覚作用とは、「呂」より入りきたるところの動....
「妖怪漫談」より 著者:岡本綺堂
のである。 生れ変るというのは別問題として、支那では人間が生きながら他の動物に
変ずるという怪談が頗る多い。殊に虎に
変ずる例が多い。『捜神記』には女が海亀に変じ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
で実に綺麗です。ちょうど私が見た時分にはその色でありましたが、冬になると白灰色に
変ずるそうです。その灰色に変じたのは私は見たことはないですがチベット人の誰でもい....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
育を進むることをつとめざるべからず。もしその教育を進めずして、ただみだりに宗教を
変ずるも、一国の文明上、決してその進歩を見ることあたわざるなり。けだし、文明の進....