変人[語句情報] »
変人
「変人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
変人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
随する一切の無用な暇つぶしを拒絶したい旨希望して置いた。すると幸《さいわい》私の
変人だと云う風評は夙《つと》にこの地方にも伝えられていたものと見えて、やがて私が....
「仇討禁止令」より 著者:菊池寛
「はあ」 伊織は、少し呆れて、新一郎の顔をまじまじと見ていたが、 「貴公も少し
変人だな。じゃ、家人同様に面倒は見てくれるのだな」 「はあ、それだけは喜んで……....
「海底都市」より 著者:海野十三
めらしく名を呼ぶところが、なんだかわざとらしかった。だが、それも博士が、特別なる
変人だから、そのようにしかつめらしく扱うのかもしれなかった。 「君はちゃんと勤め....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
致しましたものの、父は不機嫌でございました」 「あなたのお父上昆虫館ご主人、ちと
変人でございますな。アッハッハッ」と笑ったが、「学者にあり勝ちの憎人主義者のよう....
「獏鸚」より 著者:海野十三
誰かに刺し殺されたのだ。錨健次は暁団から足を洗って、江東のアイス王と呼ばれている
変人金満家田代金兵衛の用心棒になっていた。ところが暁団では田代金兵衛の一億円を越....
「小公女」より 著者:菊池寛
やかしました。「ほんとうにお笑い草ってな顔してるじゃアないの。あの子は、ますます
変人になって来たわね。今までだって、あの子好きじゃアなかったけど、この頃のような....
「寺内の奇人団」より 著者:淡島寒月
は面白い事を選んでお話しましょう。 明治の八、九年頃、寺内にいい合わしたように
変人が寄り集りました。浅草寺寺内の奇人団とでも題を附けましょうか、その筆頭には先....
「落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
なって、一人自分の部屋へはいって昔の父のことを回想しはじめました。 父は孤独な
変人でした。人から愛されない人でした。友人を一人も持っておらず、順調に育ったであ....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
働くことの喜びを私に強制したのかもしれない。数珠を右腕にまく私は、教師や生徒から
変人あつかいをうけていた。それに私は口のまわりにひげが生え出していた。母は幼い頃....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
たり売ったりする時にも、お世辞らしいことは云わなかった。しかし一体に古物商には、
変人奇人があるものであるから、刑部のそうした勿体ぶった様子は、あるいは加工的の勿....
「染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
にはございません。……ああ染吉でございますか? 谷中の奥に住んでおります。大変な
変人でございましてね、自分で作った品物を、人手に渡すのを惜がるのです。で、仲々手....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
な腕っコキで、十人以上の乾兒もあったが、どうしたものか独身であった。そうして彼は
変人でもあった。起居も動作も言葉つきも、岡引どころの騒ぎではなく、旦那衆のように....
「あほう鳥の鳴く日」より 著者:小川未明
、ふたたび、びっくりしました。この先生もどちらかといえば、あまり人と交際をしない
変人でありましたが、こんなことから、隣の男と話をするようになりました。 ある朝....
「消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
顔を合せずに行く事が出来ます。私は彼女をそこへ案内しました。もうその頃はすっかり
変人になりきっておりましたから、家人とは没交渉で、夜更けて帰って来て、そのまま母....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
いった。 『ああ、ほんの子供だましみたいなものが多いんだが、併しこの辺もこの頃大
変人が出るようになったよ。去年あたりから縁日の晩には車止めにもなるといった風でね....