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変幻
「変幻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
変幻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
美しいことだろうかと。二日置いて九日の日記にも「風強く秋声|野《や》にみつ、浮雲
変幻《ふうんへんげん》たり」とある。ちょうどこのころはこんな天気が続いて大空と野....
「高山の雪」より 著者:小島烏水
に見える。筑波山の紫は、花崗石の肌の色に負うことが多いが、富士山の冬の紫は、雪の
変幻から生ずる色といっても大過はあるまい。
ただしこれらは遠くで見る山の美しさ....
「雪中富士登山記」より 著者:小島烏水
うす紫になっている。案内者のも同じだ、私のもそうだという。なお一合ばかり登ると、
変幻極まりない雲が、また出た、しかも夏雲のように、重々しく平板状に横《よこた》わ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
奴! 鉄砲足軽百人を出し、撃って取ろうとしたところ、狙うことさえ出来ないそうだ。
変幻出没するそうだ。おっ! 出没で思い出した。蜈蚣衆を呼べ、蜈蚣衆を!」 隣室....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
が、陳が来ると直ぐに鬼物があらわれました。 鬼は昼間でも種々の奇怪な形を見せて
変幻出没するのでした。しかも陳は元来剛猛な人間であるのでちっとも驚かず、みずから....
「戦後新人論」より 著者:坂口安吾
争碁すら差しとめている哀れさである。最も取り残されたものは日本棋院で、現代の妖怪
変幻のようなものだ。 しかし、新風を怖れる保守思想とか、自己保存思想というもの....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
いうことに、漠然とした不幸を感じた。五月十五日より今日に至るまでの、こうした私の
変幻自在の心持ちを書くということは、ほとんど不可能であろう。 人力車の出現は、....
「首頂戴」より 著者:国枝史郎
司ニ含ム所アリ、主トシテ大名旗本ヲ襲フ、島原ノ遊女花扇、是ト馴染ンデ党中トナリ、
変幻出没ヲ同ジウス、星五郎強奪度無シト雖モ、ヨク散ジテ窮民ヲ賑ス、云々。 兎ま....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
一番しまいにはやはり美しくいろどられた目も綾なる花火の実写があつた。 その
変幻きわまりない不思議な美しさは私を茫然とさせてしまつた。そしてひたすらこの美し....
「ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
尤も狐狸妖怪といって、妖怪の或るものは多く狐狸その他のけものの神通力によって
変幻する現象とされてある事もある。しかしまたそうでなく妖怪は本質から妖怪となって....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
音立ち給い、必ずしも紫陽花に鬼神隠るというではない。我が心の照応する所境によって
変幻極りない。僕が御幣を担ぎ、そを信ずるものは実にこの故である。 僕は一方鬼神....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
抜くこと
阿耨達池とカイラス雪峰
実に驚かされたです。
かくのごとき境涯の
変幻自在なる有様は実に人を感ぜしむるに余りありと私は自ら感に堪えなかったです。そ....
「西航日録」より 著者:井上円了
ヒルまでも、雲煙の中にうずめらるるに至れり。少時を過ぎてまたはれ、また陰り、出没
変幻窮まりなく、その妙、実に言うべからざる趣あり。帰路紅葉を採集し、チベット寺に....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
時を経るに従って事情を違えては行くものの、その様の変りよう、事情の違いようが複雑
変幻きわまりない中に、およそ一貫した根本の性質があるというのであります。海にすれ....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
峰が今|将に幾多の大山岳を形造ろうとしている当年の地上のさまを想わせた。 この
変幻極まりなき雲の峰を背にして、南正面に屹立した劒岳の豪壮なる山容を仰ぎ見た時の....