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変色
「変色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
変色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
裸のまま、積み重ねて捨ててある。はげしい天日《てんぴ》に、照りつけられたせいか、
変色した皮膚のところどころが、べっとりと紫がかった肉を出して、その上にはまた青蝿....
「或る女」より 著者:有島武郎
くしたこずえにまで残っていた。しかしその花べんは存分に霜にしいたげられて、黄色に
変色して互いに膠着《こうちゃく》して、恵み深い日の目にあっても開きようがなくなっ....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の腐敗瓦斯には、硫化水素の匂いが強いじゃありませんか。硝子盤の下の布も、淡緑色に
変色していますぜ。多分犯人は、これから純粋の瓦斯を採取して、それを膜嚢に充したも....
「映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
くなく、口と鼻腔だけが無気味な闇黒をのぞかせていた。顔の色はところによって勝手に
変色したり褪色したような感じで、部分的な変化が多く、一貫した主色というものが感ぜ....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
ガチャリと大きな音を立てて再び電路遮断器を入れた。パイロット・ランプが青から赤に
変色して、ぱたりとベルが鳴止む。その儘技手は配電盤の前に突っ立って、がっしりした....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
へん小さな冊子で黒革の表紙もひどく端がすりきれて、その色も潮風にあたって黄いろく
変色していた。それを開くと、中は罫なしの日附は自由に書きこめるという式の自由日記....
「デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
赤黒い血痕に依って物凄く色彩られていた。頸部には荒々しい絞殺の瘡痕が見え、土色に
変色した局部の皮膚は所々破れて少量の出血がタオル地の寝巻の襟に染み込んでいた。検....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
今日も復一はようやく
変色し始めた仔魚を一|匹二|匹と皿に掬い上げ、熱心に拡大鏡で眺めていたが、今年も....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
では、建物も人も、そういう幼稚な空想の断片ではなくなっているのだ。ちょうど天然の
変色が、荒れ寂びれた斑を作りながら石面を蝕んでゆくように、いつとはなく、この館を....
「流線間諜」より 著者:海野十三
んよ」と帆村は首を振って、「ごらんにならなかったでしょうか、あの婦人の口腔の中の
変色した舌や粘膜を。それから変な臭いのすることを。――あれだけのことがあれば、頓....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
勢の家族はいそいで食べた。日曜日は家の焼跡の整理をした。金庫の中の真珠はすっかり
変色してしまっていた。ダイヤやプラチナはぜんぶ政府に提供していたから、真珠位が宝....
「白髪鬼」より 著者:岡本綺堂
。ただここに一つ、不思議ともいえばいわれるのは、伊佐子さんの死骸の髪の毛が自然に
変色して、いよいよ納棺というときには、老女のような白い髪に変ってしまったことです....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
う致死量にはならないのだ。そして、過激な食餌法で脂肪を減らし、過マンガン酸加里の
変色法などを用いたので、このとおり不気味な色になってしまった。 しかし、その正....
「春」より 著者:岡本かの子
訳もなく表庭の芝笹の上へ降り立った。 京子は月光を浴びると乱れた髪の毛が銀髪に
変色し忽ち奇怪な老婆のように変形した。京子はその奇怪な無表情の顔を前へ突き出し、....
「蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
幸か不幸かお顔がめちゃめちゃに砕けたので分らなくなりましたが、そうでなかったら、
変色の点で疑問が起されたかも知れません。こんなお話をして弟様はグングン大奥様を脅....