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変貌
「変貌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
変貌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
情と、奥底知れない泰らかさとが、女神の身体から狭霧のようにくゆり出す。 岳神が
変貌して、そしてこういうふうに言い出すとき、その「わたくし」は、最早岳神みずから....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
、口を真黒に開いていて、互いの頸《くび》に腕をかけ、肩と肩とを組み、熱意に燃えて
変貌したような顔をしていたが、その不思議な行進には佩剣《はいけん》の響も伴ってい....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
帶びている。かくしてアメリカまた、ソ連と世界的に對抗しつつ、實質は統制主義國家に
変貌し來つたのである。 專制から自由え、自由から統制えの歩みこそ、近代社會の發....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
の姿は遂に見られないのであるか。残念至極である。 四月九日 ◯建物疎開で、町の
変貌甚し。三軒茶屋より渋谷に至る両側に五十メートル幅で道を拡げるというが、それを....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
琴のかえ手のように幽毅に、世の果ての審判のように深刻に、夜景全局を刹那に地獄相に
変貌せしめまた刹那にもとの歓楽相に戻す。それは何でもない。間近い城東電車のポール....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
さで「ふふふふ。」と笑った。ふと、私はX夫人の事を思いついた。そして、巧な化粧で
変貌したX夫人を先年某料亭で見て
変貌以前を知って居る私が眼前のX夫人の美に見惚れ....
「すり替え怪画」より 著者:海野十三
、再現した名画を壁間に掲げ、惚れ惚れと眺めた。 彼が藤代女史にやらせている油絵
変貌術は、かつてルーブル美術館からダビンチ筆の「モナリザ」を盗み出し、多数の模写....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
ひっつめ髪をし、黒っぽい服を着、化粧すらしないで家に引籠っていた。 家族は私の
変貌に半信半疑の目をむけていた。しかし一種の落つきのようにみえる私の態度に安心も....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
ていそうな、異様な臭いを振り撒きながら、産後のお岩は、鏡を手に持ち、見るも無残な
変貌を、物怖ろしげに見入るのであった。 それは、おどろ怖ましい色であり、靄であ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
て、少しく不気味に思うこともある。どうかすると彼は神々にも鬼畜にも、忽ちのうちに
変貌する。常に分身であり、伴侶であり、かつまた警告者である。気随気儘なしれもので....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
性格とによって、彼の「勝手にしろ」は、箸にも棒にもかからぬ、図太い、ねばり強い、
変貌自在な、そして同時に、陰翳に富んだ自己表出となるのです。果然、それは、俳優と....
「役者の顔」より 著者:木村荘八
かり、世の常ならぬ相貌となっています。これは半ば天性もあるのでしょうが、「奇形」
変貌の大半は、後天的操作に依るところと思います。 古い俳優――古名優――では、....
「ハイカラ考」より 著者:木村荘八
。御一新にあたって断然陛下が散髪なさり洋装なさったことは、「日本」全体がそこから
変貌して髪を切り・服を改めたことだったので、その天皇の御意見、「夫唱婦随」もあっ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
通な点は、外交の触手がふれ合うようになった先進国の文明を取り入れて、自分を補強し
変貌することが、その先進国を相手にまわしながら毅く自分を生かすために、是非必要の....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
らね。」 誰ひとり、その銀鍍金の饒舌家を知る人はなさそうに見えた。何でもうまく
変貌していたにちがいない。 ところで、前に書くはずなのを、うっかりしていたが、....