夏子[語句情報] » 夏子

「夏子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

夏子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
マダム、それともメッチェン……? マイ、ダアーリングね」 バーテン台の中にいる夏子は、舌を噛みそうな外国語を、ガラガラした声で言って、不器用な手つきで京吉の肩....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ですか」と云ってズウズウしく降りて行き、石碑の文字を読んだが、少し驚いた。「輪田夏子之墓」と有る。「明治二十九年七月十一日死、享年廿二歳」と左右に記して有る、輪....
縮図」より 著者:徳田秋声
も六人分の三つの寝床が敷かれ、下の玄関わきの小間では、奈良産まれの眇目の婆やと、夏子という養女が背中合せに、一つ蒲団の中に寝るのだった。 ここは出先の区域も広....
」より 著者:徳田秋声
と眺めておけないような場合がたびたびあった。 次に引き移って行った家では、その夏子供が大患いをした。 前にいた家の近所に、お銀がふとその家を見つけて来て、そ....
「愛と死」」より 著者:宮本百合子
沢を帯びたようなところが出来ている。そのような文章で描き出されている「愛と死」の夏子の愛くるしさは躍如としているし、その愛らしい妹への野々村の情愛、夏子を愛する....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
のはなやいだ才媛たちがうち興じながら、何心なく誦した赤壁の賦に和した僅か十五歳の夏子の才走った姿も目に見えるようである。また、彼女のかくし切れない才が穂にあらわ....
厄年と etc.」より 著者:寺田寅彦
字を見る時には、不知不識眼を細くするような習慣が生じているのであった。 去年の夏子供が縁日で松虫を買って来た。そして縁側の軒端に吊しておいた。宵のうちには鈴を....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
いよいよ俳句を遣って見ようという気になって、作れば作るほど熱心の度を増した。この夏子規氏は松山へ帰省して、彼地でも俳句を宣伝して段々と同好者を生ずるに至った。 ....
樋口一葉」より 著者:長谷川時雨
たちから「姐《ねえ》さん」とよばれ、午後には貴紳の令嬢たちと膝《ひざ》を交えて「夏子の君」と敬される彼女を、彼女は皮肉に感じもした。けれども恩師中島歌子は、一葉....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
すが、「私の不幸」という三枚ばかりの文章。いろんなひと、例えば金子しげり、時雨、夏子、宇野千代、私など。なかに稲ちゃんが女の不幸を自身の不幸として云っていました....
落合町山川記」より 著者:林芙美子
って仕方がない。 また、夏になった。もう前ほど女流のひとたちも来なくなった。城夏子《じょうなつこ》さんや辻山さんがやって来る位で、男のひとたちの来客が多い。山....
文学以前」より 著者:豊島与志雄
に、そこが、どういう風に書かれているか、煩をいとわず引用してみる。―― 彼は夏子に店をやめろという代りに、ことごとに突っかかっては殴りつけたり蹴飛ばしたり、....
牛乳と馬」より 著者:豊島与志雄
いないのである。それとも、他人から見れば、やはり似てるところがあるのかしら。 「夏子さんはどうしていらっしゃいますか。」 わたしはまた彼の顔を見返した。 「み....
田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
たりした。美妙に逢っていると、励まされるのでそんなに屈託しなかったが―― 「樋口夏子は苦労しているもの。だからって、あなたが、求めて、あの女とおんなじ苦労をしな....
蒼白い月」より 著者:徳田秋声
て村を富ましたりしたものです。で、計画はなかなか大仕掛けなのです。叔父さんもひと夏子供さんをおつれになって、ここで過ごされたらどうです。それや体にはいいですよ」....