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夏季
「夏季〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夏季の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雛妓」より 著者:岡本かの子
て、天井の板の柾目を仰いだり、裏小路に向く欄干に手をかけて、直ぐ向い側の小学校の
夏季休暇で生徒のいない窓を眺めたりした。 わたくしの家はまだこの時分は雌伏時代....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
使に至るまでも髪を刈り、髭を剃って、試験中は服装を改めていた。 授業時間や冬季
夏季の休暇は、今日と大差はなかった。授業の時間割も先ず一定していたが、その教授の....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
蜘蛛を思い出していけない。 去年の夏は紀州の大崎という片田舎の漁村へ、研究所の
夏季講習会があったので生徒とともに出かけてみた。 ところがその宿の便所というの....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
末から、梅水が……これも近頃各所で行われる……近くは鎌倉、熱海。また軽井沢などへ
夏季の出店をする。いやどこも不景気で、大したほまちにはならないそうだけれど、差引....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
出されたような様子だが、もしそうだったらわびをして置いてくれ。 エスペラントの
夏季講習会はどうしたろう。 電車の刑を執行されても、巣鴨へ行くようなことはない....
「池袋の怪」より 著者:岡本綺堂
這上る。草深い麻布の奥、元より庭も広く、池も深く、木立も草叢も繁茂っているから、
夏季になれば蛇も這出そう、蛙も飛出そう、左のみ怪しむにも及ばぬ事と、最初は誰も気....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
、数学や理科が好きで、国語ことに綴方など、大嫌いという性質であった。 だから、
夏季休暇中の宿題となっている綴方はもちろん、一日一日の日記帳の小欄に、たとえば(....
「鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
、毎年六月、浅草駒形堂附近の隅田川において御徒士組の水練を行なわせることとした。
夏季の水練は幕府の年中行事であるが、元禄以後ほとんど中絶のすがたとなっていたのを....
「虹と感興」より 著者:上村松園
、日を送っていました。この依頼を受けたのは、夏前頃のことでしたから、図題も自然と
夏季の初め、すなわち初夏頃のものになりました。 私は、図題をきめるのに、かなり....
「最初の出品画」より 著者:上村松園
、別に深い仔細があったわけではなく、万象の萌え出でる春の季から一年中の最も盛んな
夏季、それが過ぎ去ってやがて木々の葉がもの淋しく落ち散ってゆく秋景色から、最後に....
「鰻の話」より 著者:北大路魯山人
ぐろなどは夏の生理が要求を呼ぶもののようだ。皮鯨(鯨肉の皮に接した脂肪の部分)は
夏季非常に美味いけれども、冬は一向に食う気がしない。要するにこれらは、人間の生理....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ら二月中頃までチベット、モンゴリヤ、シナ及びネパール等から沢山な参詣人が来ます。
夏季はヒマラヤ山中を旅行するとマラリヤ熱に冒されますから冬季に向ってから出掛けて....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
究するは必要のことなり。 寺院にはその住職の発起にて、日曜学校あるいは夜学校、
夏季学校、冬季学校等を設置し、貧民の子弟を教育することあり。 ドイツ連邦中、バ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
山を望み、その中腹に汽車のときどき昇降去来するを見るのみ。この地、目下熱帯圏内の
夏季なるにもかかわらず、碇泊中船室内の温度、昼夜の別なく七十四、五度なり。 二....
「東京で自慢の鮑」より 著者:北大路魯山人
これから秋までつづく
夏季の美肴中、とりわけ重きをなしているものに、あわびが挙げられる。料理の仕方は古....