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夏座敷
「夏座敷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夏座敷の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「かのように」より 著者:森鴎外
いし、毛皮を著ない人もない位ですから、寒さが体には徹《こた》えません。こちらでは
夏座敷に住んで、夏の支度をして、寒がっているようなものですね。」秀麿はこんな話を....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
でいる。 小初は一しきり料理を喰べ終ると、いかにも東京の料理屋らしい洗煉された
夏座敷をじろじろ見廻しながら、 「あなた、道楽なさったの」と何の聯想からかいきな....
「突堤」より 著者:宮本百合子
いた。おばあさんの小さい姿が見定められないところへ来ても、街道の俥の上からはまだ
夏座敷の縁側と丸く刈り込んだ檜葉の庭木が見えた。こっちからその眺望がきく間は、お....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ぞ、」と黙って入ってしまった。埃だらけの足を、下駄へ引擦ったなり、中二階のような
夏座敷へ。……団扇を出したっけな、お京も持って。さて、何を聞いたか、饒舌ったか、....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
」 「叱、」と押えながら、島野紳士のセル地の洋服の肱を取って、――奥を明け広げた
夏座敷の灯が漏れて、軒端には何の虫か一個唸を立ててはたと打着かってはまた羽音を響....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
るのは、随所に、季節ちがいの感をまぬがれまいと思うが、夏のサロンに花氷を置くし、
夏座敷の床の間にわざと雪景山水を懸ける流儀もあるやに聞く。 といっても、編集者....