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夏服
「夏服〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夏服の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「Mensura Zoili」より 著者:芥川竜之介
ンの扉《ドア》があいて、黒坊《くろんぼ》のボイがはいって来た。藍色《あいいろ》の
夏服を着た、敏捷《びんしょう》そうな奴である、ボイは、黙って、脇にかかえていた新....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
て、際《きわ》どく車の走りを止めた。車の上には慎太郎《しんたろう》が、高等学校の
夏服に白い筋の制帽をかぶったまま、膝に挟《はさ》んだトランクを骨太な両手に抑えて....
「槍が岳に登った記」より 著者:芥川竜之介
くよと言ったときには中原の足は自分の頭より高い所にあった。上を見るとうす暗い中に
夏服の後ろ姿がよろけるように右左へゆれながら上って行く。自分もつえを持ってあとに....
「或る女」より 著者:有島武郎
りどぎつい純然たるヒステリー症の女になっていた。
三九
巡査の制服は一気に
夏服になったけれども、その年の気候はひどく不順で、その白服がうらやましいほど暑い....
「世相」より 著者:織田作之助
そむけた。左の眼から頬へかけて紫色にはれ上り、血がにじんでいる。師走だというのに
夏服で、ズボンの股が大きく破れて猿股が見え、首に汚れたタオルを巻いているのは、寒....
「三十年後の東京」より 著者:海野十三
同じ服でいいわけです」 「それはいいですね。衣料費がかからなくていいですね。昔は
夏服、合服、冬服なんどと、いく組も持っていなければならなかったですからね。ちょう....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
い小さい花がしおらしく咲いている。ここらへ来ると、時どきは人通りがあって、青白い
夏服をきた十四、五の少女が並木の下を俯向きながら歩いてゆく。かれは自動車の音にお....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
同じ服でいいわけです」 「それはいいですね。衣料費がかからなくていいですね。昔は
夏服、冬服なんどと、いく組も持っていなければならなかったですからね。ちょうど布ぎ....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
恐怖と驚駭は、わずかに四五間離れた処に、鳥の旦那が真白なヘルメット帽、警官の白い
夏服で、腹這になっている。「お助けだ――旦那、薬はねえか。」と自分が救われたそう....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
縁の法学生、この邸に奇寓する食客であるが、立寄れば大樹の蔭で、涼しい服装、身軽な
夏服を着けて、帽を目深に、洋杖も細いので、猟犬ジャム、のほうずに耳の大いのを後に....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
幽霊、) と夢中で言った――処へひょっこり廊下から……脱いだ帽子を手に提げて、
夏服の青いので生白い顔を出したのは、その少年で。出会頭に聞かされたので、真赤にな....
「ランス紀行」より 著者:岡本綺堂
紅い小さい花がしおらしく咲いている。ここらへ来ると、時々は人通りがあって、青白い
夏服をきた十四五の少女が並木の下を俯向きながら歩いてゆく。かの女は自動車の音にお....
「西瓜」より 著者:岡本綺堂
帽子もその麦藁で……。」 「そうです。」と、彼は又うなずいた。 麦わら帽に白の
夏服、それが横田君の一帳羅であるかも知れない。したがって、横田君といえばその麦わ....
「山椒魚」より 著者:岡本綺堂
、あくる日は塩尻から歩き出した。中央線は無論に開通していない時分だから、つめ襟の
夏服に脚絆、草鞋、鍔の広い麦藁帽をかぶって、肩に雑嚢をかけて、木の枝を折ったステ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ルボルンの気候はシドニーよりいくぶんか冷気の加わりたるがごときも、朝夕冬服、昼間
夏服の気候にして、わが十月はじめごろに似たり。この地冬期といえども、ほとんど降霜....