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夏虫
「夏虫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夏虫の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「思い出の記」より 著者:小泉節子
。婆さんが御膳を持って上って来ました。あの虫は何と云う虫ですかと尋ねますと『へい
夏虫でございます』と云って平気で居るのです。実に淋しい宿で、夢を見て居るようでご....
「黴」より 著者:徳田秋声
べた。机の上には来た時のままの紙や本が散らばっていて、澱んだような電気の明りに、
夏虫が羽音を立てていた。 その晩笹村は下の炉傍へ来て、酒をつけてもらったりした....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
。「これを見ろ。この力はまぎれもないラッパチーニの娘から得たのだぞ」 そこには
夏虫のひと群れが、命にかかわる花園の花の香にひきつけられて、食物を求めながら、空....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
おい。あの着物にしかないように思われる。 六つばかりのとき父がイギリスにいて、
夏虫干しをしたら父のきていた冬着が出ました。父のにおいがする。お父様の匂いがする....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
縁先へ立てて見せる。なるほど、自然の色を持った若葦の浅緑の生々した葉裏などにその
夏虫のとまっている所は、いかにもおもしろい。異でもあり、妙でもあって、とても、市....