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夕刻
「夕刻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夕刻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
った。
その町筋は車力や出面《でめん》(労働者の地方名)や雑穀商などが、ことに
夕刻は忙がしく行き来している所なのだが、その奇妙な物売だけはことに柿江の注意を牽....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
殺気だった戦闘ぶりを、ちょいちょい眺めては、すくなからず心配になってきたものだ。
夕刻に近づくと、かねて気象警報が出ていたとおり、灰色の雲は低く低くたれ下って来、....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
り いよいよ米国大空軍の来襲は、確かになった。 早ければ今夕、遅くとも明日の
夕刻までには、敵影が鹿島灘に現れることになろうと云うことであった。これは全国一斉....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
ェッと雁金検事が舌打ちをした途端に、相手の受話機がガチャリと掛った。 その日の
夕刻、丁度|黄昏どきのこと、丸ノ内にある化物ビルといわれる廃墟になっている九階建....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
を出して取出すことが出来た。 中川君、昨日広島より帰京している筈のところ、今日
夕刻に至るも、まだその姿を見せず。昨日の空襲で豊橋―掛川間が不通となった事故のた....
「海底大陸」より 著者:海野十三
ルゾン号は船首をかえして、もとのクイーン号遭難現場にかえっていった。 その日の
夕刻、無電のれんらくがついて、ルゾン号とパリ大学滞在中の長良川博士との間に無線電....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
いる仕切紙をたよりにして帳簿のまん中ほどをぽんと開いた。その頁には、昨日の日附と
夕刻の数字とが欄外《らんがい》に書きこんであり、本欄の各項はそれぞれ小さい文字で....
「恐竜島」より 著者:海野十三
十分ばかりのうちに沈んでしまった。乗組員は少ないボートに乗れるだけ乗ったが、その
夕刻《ゆうこく》の暴風でひっくりかえり、助かったのは、このわしひとりよ」 「これ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
べるため、かねて千葉へ出張中だった大江山捜査課長は、一日向こうに泊り、その翌日の
夕刻、東京へ帰って来た。
帝都は、今ちょうど暮れたばかりで、高層ビルジングのあ....
「火薬船」より 著者:海野十三
、問題のノーマ号と平靖号とが、おしどりのようにつながって、西に航行していた。もう
夕刻に近かった。 「おいおい、竹!」 呼んだのは、船長ノルマンであった。 竹....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
須磨、明石の両艦では、半舷上陸が許されることになった。尤も時間がきめられていて、
夕刻までには両舷とも上陸見学を終ることになっていた。 川上機関大尉は、午後三時....
「暗号数字」より 著者:海野十三
例のポスターを探しあてられるかどうか。行手は晴か曇か、それとも暴風雨か。 まだ
夕刻のこととて、ハマダ撞球場は学生やサラリーマンで七台ある球台が、どれもこれも一....
「迷信解」より 著者:井上円了
傍らを通過せるもの、ときどきだまされて家に帰らざることがあると申しておる。ある日
夕刻、一人の老僕、隣村に使いして帰路、この森林の傍らに通りかかりしに、日いまだ全....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
率直な親みのある手紙だった。 折返して直ぐ返事を出し、それから五、六日して或る
夕刻、再び花園町を訪問した。すると生憎運動に出られたというので、仕方がなしに門を....
「西航日録」より 著者:井上円了
」といえるがごとく、夜中南京虫に攻められ、ほとんど安眠を得ざるには実に閉口せり。
夕刻より街上の雑踏、コーヒー店の群集、あたかも先年博覧会のときのごとし。二十二日....