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「夕月夜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

夕月夜の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
茶の本」より 著者:岡倉覚三
のような人々はまた別の効果を求めた。遠州は庭径の着想は次の句の中にあると言った。夕月夜海すこしある木の間かな(三〇) 彼の意味を推測するのは難くない。彼は、影の....
連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
耶《まや》の高根に雲」、「迎いせわしき」と「風呂《ふろ》」、「すさまじき女」と「夕月夜|岡《おか》の萱根《かやね》の御廟《ごびょう》」、等々々についてもそれぞれ....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
れずという。一尾ならず、二ツ三ツばかりある。普通の小さきものとは違いて、夏の宵、夕月夜、灯す時、黄昏には出来らず。初夜すぎてのちともすればその翼もて人の面を蔽う....
源氏物語」より 著者:紫式部
れになって、靫負《ゆげい》の命婦《みょうぶ》という人を使いとしてお出しになった。夕月夜の美しい時刻に命婦を出かけさせて、そのまま深い物思いをしておいでになった。....
源氏物語」より 著者:紫式部
何とも言えなかった。京からも始終そうした品物が届けられるのである。のどかな初夏の夕月夜に海上が広く明るく見渡される所にいて、源氏はこれを二条の院の月夜の池のよう....
源氏物語」より 著者:紫式部
のが降ってやんだあとで月が出てきた。青春時代の忍び歩きの思い出される艶《えん》な夕月夜であった。車の中の源氏は昔をうつらうつらと幻に見ていると、形もないほどに荒....
源氏物語」より 著者:紫式部
る人たちの作ったものであったから、以上の三首よりよいというものもなかった。七日の夕月夜の中に池がほの白く浮かんで見えた。大臣の言葉のように、春の花が皆散ったあと....
源氏物語」より 著者:紫式部
なにして逢いに来られる私の身分でも道程でもないのに」 などと薫は言い、月初めの夕月夜に少し縁へ近い所へ出て横になりながら二人は外を見ていた。薫は昔の人を思い、....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
念へりしくし面影に見ゆ」(巻四・七五四)等の例がある。 ○夕月夜心も萎に白露の置くこの庭に蟋蟀鳴くも〔巻八・一五五二〕 湯原王 湯原王の....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
りゐて 末とほき若葉の芝生うちなびき雲雀なく野の春の夕ぐれ 冴えとほる風の上なる夕月夜あたる光に霜ぞ散りくる なびかじな海士のもしほ火たきそめて煙は空にくゆりわ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
固の軍兵が多かったことである。 ――先帝は今日、津の国、昆陽の宿に着かせ給ひて、夕月夜ほのかにをかしきを、ながめおはします。 命あれば こやの軒ばの月も見つ....