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夕汐
「夕汐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夕汐の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
九時近くくたびれ切って釧路に着いた。車に揺られて、十九日の欠月を横目に見ながら、
夕汐白く漫々たる釧路川に架した長い長い幣舞橋を渡り、輪島屋と云う宿に往った。
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「朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
|橋畔《きょうはん》の両岸は、三味線の響き、粋《いき》な家《うち》が並んでいた。
夕汐《ゆうしお》の高い、靄《もや》のしめっぽい宵《よい》など、どっち河岸を通って....
「夏の町」より 著者:永井荷風
へと吹き付けて来る風を避《よ》けようがためで、されば水死人の屍《しかばね》が風と
夕汐《ゆうしお》とに流れ寄るのはきまって中洲の方の岸である。 自分が水泳を習い....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
ような興味に似ている。私は本所深川辺《ほんじょふかがわへん》の堀割を散歩する折|
夕汐《ゆうしお》の水が低い岸から往来まで溢れかかって、荷船《にぶね》や肥料船《こ....
「すみだ川」より 著者:永井荷風
ともしび》の光の消えて行くようにあたりは全体に薄暗く灰色に変色して来て、満ち来る
夕汐《ゆうしお》の上を滑って行く荷船《にぶね》の帆のみが真白く際立《きわだ》った....