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「夕露〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

夕露の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海異記」より 著者:泉鏡花
こまで大きくなって、お浜ッ子が浜へ出て、まま事するはいつだろうなあ。」 女房は夕露の濡れた目許の笑顔優しく、 「ああ、そりゃもう今日明日という内に、直きに娘に....
天守物語」より 著者:泉鏡花
草が、それはそれは、今頃は、露を沢山欲しがるのでございますよ。刻限も七つ時、まだ夕露も夜露もないのでございますもの。(隣を視る)御覧なさいまし、女郎花さんは、も....
星女郎」より 著者:泉鏡花
と、たとい須磨に居ても、明石に居ても、姫御前は目をまわそう。 三造は心着いて、夕露の玉を鏤めた女の寝姿に引返した。 「鬼じゃ。」 試みに山伏の言を繰返して、....
源氏物語」より 著者:紫式部
何たる錯誤だ、不都合なのは自分である、こんなに愛していながらと気がついた。 「夕露にひもとく花は玉鉾《たまぼこ》のたよりに見えし縁《えに》こそありけれ あ....
源氏物語」より 著者:紫式部
今年はことさら種類が多くて、その中へ風流な黒木、赤木のませ垣が所々に結われ、朝露夕露の置き渡すころの優美な野の景色を見ては、春の山も忘れるほどにおもしろかった。....
源氏物語」より 著者:紫式部
でもいてほしいとお思いになるのかと心苦しくて、院はそのまま仕度をおやめになった。夕露に袖濡らせとやひぐらしの鳴くを聞きつつ起きて行くらん 幼稚なお心の実感をそ....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
で旨い。「梅の花咲き散る苑にわれ行かむ」(同・一九〇〇)、「秋萩の咲き散る野べの夕露に」(同・二二五二)等の例がある。普通は、「梅の花わぎへの苑に咲きて散る見ゆ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
るかも知れないと思うと、かえって先が明るく考えられる。 萱の葉が肩までかかる。夕露がいっぱいだ。遠くから姿を発見される惧れがなくて逃げるには気楽だ。さてこれか....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
はしないかと、そこらの草むらを、足で蹴ちらしながら、詮議してみた。 草にはもう夕露があった。赤まんまとよぶ草にも、ほたる草の花にも露があった。伊織は、へなへな....