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夕顔
「夕顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夕顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
で来ない。はじめは怪しんだが、二日め三日めには心着いた。意気地なし、臆病。烏瓜、
夕顔などは分けても知己だろうのに、はじめて咲いた月見草の黄色な花が可恐いらしい…....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
の渚を、青い山、緑の小松に包まれて、大陸の婦たちが、夏の頃、百合、桔梗、月見草、
夕顔の雪の装などして、旭の光、月影に、遥に(高濶なる碧瑠璃の天井を、髪|艶やかに....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
いた鎌一|挺。 それから昨夜の、その月の射す窓から密と出て、瓦屋根へ下りると、
夕顔の葉の搦んだ中へ、梯子が隠して掛けてあった。伝って庭へ出て、裏木戸の鍵をがら....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
つけた。 「願いまっしゅ、お願い。お願い――」 正面の額の蔭に、白い蝶が一羽、
夕顔が開くように、ほんのりと顕われると、ひらりと舞下り、小男の頭の上をすっと飛ん....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
流が細ったって構うものか。お前こそ、その上夏痩せをしないが可い。お百合さん、その
夕顔の花に、ちょっと手を触ってみないか。 百合 はい、どういたすのでございますか....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
る、火の玉じゃ。座頭の天窓よ、入道首よ、いや女の生首だって、可い加減な事ばかり。
夕顔の花なら知らず、西瓜が何、女の首に見えるもんです。 追掛けるのか、逃廻るの....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
顋で圧えて云う。 その時、小雨の夜の路地裏の待合で、述懐しつつ、恥らったのが、
夕顔の面影ならず、膚を包んだ紅であった。 「……この土地じゃ、これでないと不可い....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
に、雪白な花の、あわれに咲いたお話をききましたら、そのいやな入相が、ほんのりと、
夕顔ほどに明るく、白くなりましてございましてね。」 女房は、ふと気がさしたか、....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
ておりましたそうですが。 つい事の起ります少し前でございました、沢井様の裏庭に
夕顔の花が咲いた時分だと申しますから、まだ浴衣を着ておりますほどのこと。 急ぎ....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
、可いかい。」 「だってあんまりだから。」 「ほんとはお前さんが何てったって、朝
夕顔が見ていたいの。そうすりゃもう私ゃ死んだって怨はないよ。」 「まあ!」 「い....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
の白髪になって、犬のごとく踞ったが、柄杓の柄に、痩せがれた手をしかとかけていた。
夕顔の実に朱の筋の入った状の、夢の俤をそのままに、ぼやりと仰向け、 「水を召され....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
なのは、その隙間形に、怪しい顔が、細くもなれば、長くもなり、菱形にも円くもなる。
夕顔に目鼻が着いたり、摺木に足が生えたり、破障子が口を開けたり、時ならぬ月が出で....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
来た。糸のように目を開いたんですから、しまった! となお思ったんです――まるで、
夕顔の封じ目を、不作法に指で解いたように。 はッとしながら、玉を抱いた逆上せ加....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
これは死にます時に、小一が冥途を照しますつもりか、持っておりましたので、それに、
夕顔ヶ淵……またこれは、その小按摩に様子が似ました処から。」 「いや、それは大し....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
腰をしめて、 (汗があってよ、……堪忍ね。) 襟を、合わせたんですが、その時、
夕顔の大輪の白い花を、二つうつむけに、ちらちらと月の光が透きました。乳の下を、乳....