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外光
「外光〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
外光の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
全然気づいていないようだった。お蓮は呆気《あっけ》にとられたなり、しばらくはただ
外光に背《そむ》いた、この陰気な女の姿を見つめているよりほかはなかった。
「いか....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
たのを見ると、又僕をそっちのけに彼女に愛嬌《あいきょう》をふりまき出した。彼女は
外光に眺めるよりも幾分かは美しいのに違いなかった。少くとも彼女の笑う度にエナメル....
「路上」より 著者:芥川竜之介
の長い紫のパラソルを持った初子《はつこ》が、いつもよりは一層|溌剌《はつらつ》と
外光に背《そむ》いて佇《たたず》んでいた。俊助は閾《しきい》の上に立ったまま、眩....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
ていたのか、それともろうそくがついていたのか、それは覚えていない。が、なんでも、
外光だけではなかったようである。僕は、妙に改まった心もちで、中へはいった。そうし....
「或る女」より 著者:有島武郎
》った。
そこには寝床のそばに洋服を着た一人《ひとり》の男が立っていた。激しい
外光から暗い部屋《へや》のほうに目を向けた葉子には、ただまっ黒な立ち姿が見えるば....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
気味にいうのだった。
やがて、芯の泥氷部をさけて二、三時間も掘ると、なつかしい
外光がながれ入ってきた。
出ると、大烈風はもう背後になっている。そこは先刻は岩....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
解して来たと自信を持ち出した頃のものだった。 汽車から降りてはっきりした早春の
外光の中に立った氏の姿を葉子は更に傷ましく見た。思わず眼をそむけた。頭半分も後退....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の壁から一尺ほど手前の床に、何やら印をつけると、室は再び旧に戻って、窓から乳色の
外光が入って来た。検事は窓の方へ溜めていた息をフウッと吐き出して、
「いったい、....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
のだ。梢が、一分一寸とじりじりと下るあいだから、まるで夢のなかのような褪せた鈍い
外光が、ながい縞目をなしてさっと差しこんできたのである。森がしずむ! マヌエラは....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
々の罪などと云うものを知らないように軽快に歩いているのは不快だった。僕は薄明るい
外光に電燈の光のまじった中をどこまでも北へ歩いて行った。そのうちに僕の目を捉えた....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
ポッケットの夕刊を漫然と膝の上へひろげて見た。するとその時夕刊の紙面に落ちていた
外光が、突然電燈の光に変って、刷の悪い何欄かの活字が意外な位|鮮に私の眼の前へ浮....
「街頭」より 著者:岡本かの子
形の裏から金色の光線が頸の骨を叩き付けるほど浴せかける。右から左から赤や水色の紫
外光線が足元を掬う。ここでは物は曖昧でいる事は許されない。明るみへ出て影を※ぎと....
「高原の太陽」より 著者:岡本かの子
。初夏の午前の陽は鮮かに冴えていても、肌に柔かかった。久しぶりに繃帯押えを外して
外光に当てる視覚は、いくらか焦点をぼかして現実でもなく非現実でもない中間の世界を....
「荘子」より 著者:岡本かの子
を抱え、うずくまって居る従者を顧み幾重にもからめた包装を解かせた。 扉のそとの
外光を背にした麗姫の活人形が薄暗い土間につと躍り出た。 「あれ、麗姫が!……」 ....
「春」より 著者:岡本かの子
た。山の手電車を降りると自動車を雇ったが、京子は絶えず眼を気にして往来を視ない。
外光を厭って黒眼鏡を掛け、眼を伏せて膝の上の手ばかり見つめて居る。京子の片手は何....