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外套
「外套〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
外套の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
。樹木は皆枯れ木ばかり。
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仲店の片側《かたがわ》。
外套《がいとう》を着た男が一人《ひとり》、十二三歳の少年と一しょにぶらぶら仲店を....
「文章」より 著者:芥川竜之介
事《じじ》、――いや、読売《よみうり》でした。後《のち》ほど御覧に入れましょう。
外套《がいとう》のポケットにはいっていますから。」
「いや、それには及びません。....
「父」より 著者:芥川竜之介
、能勢五十雄《のせいそお》であった。やはり、自分のように、紺のヘルの制服を着て、
外套《がいとう》を巻いて左の肩からかけて、麻のゲエトルをはいて、腰に弁当の包《つ....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
い反響を残している。彼は本を買われなかった。夏期学校へも行かれなかった。新らしい
外套《がいとう》も着られなかった。が、彼の友だちはいずれもそれ等を受用していた。....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
》だった。が、勿論《もちろん》家の外にはそんな匂の出る筈《はず》はなかった。冬の
外套《がいとう》の腋《わき》の下に折鞄《おりかばん》を抱えた重吉は玄関前の踏み石....
「冬」より 著者:芥川竜之介
僕は重い
外套《がいとう》にアストラカンの帽をかぶり、市《いち》ヶ|谷《や》の刑務所へ歩い....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
。
所が横町《よこちょう》を一つ曲ると、突然お蓮は慴《おび》えたように、牧野の
外套《がいとう》の袖を引いた。
「びっくりさせるぜ。何だ?」
彼はまだ足を止め....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
こへ大阪のN君が原稿を貰いに顔を出した。N君は泥まみれの長靴《ながぐつ》をはき、
外套《がいとう》に雨の痕《あと》を光らせていた。自分は玄関に出迎えたまま、これこ....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
しもぴったりしないものではなかった。
「じゃお墓へ行きましょう。」
僕は早速|
外套《がいとう》をひっかけ、K君と一しょに家《いえ》を出ることにした。
天気は....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
あった辞書の下に、歌稿を隠す事を忘れなかった。が、幸い父の賢造《けんぞう》は、夏
外套《なつがいとう》をひっかけたまま、うす暗い梯子《はしご》の上り口へ胸まで覗《....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
しい戦争の空気は、敷瓦《しきがわら》に触れる拍車の音にも、卓《たく》の上に脱いだ
外套《がいとう》の色にも、至る所に窺《うかが》われるのであった。殊に紅唐紙《べに....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
看を与え得るのであります。
「就《つ》いては演習の題目に佐佐木茂索氏の新著『春の
外套《がいとう》』を出しますから、来週までに佐佐木氏の作品へ『半肯定論法』を加え....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
と、一味相通ずる何物かがあった。………
露柴はさも邪魔《じゃま》そうに、時々|
外套《がいとう》の袖をはねながら、快活に我々と話し続けた。如丹は静かに笑い笑い、....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
ルの玄関をはいった時には歯車ももう消え失せていた。が、頭痛はまだ残っていた。僕は
外套や帽子を預ける次手に部屋を一つとって貰うことにした。それから或雑誌社へ電話を....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
ことにした。尤も船ばたに立っていたのは僕等二人に限った訳ではない。僕等の前にも夏
外套を着た、あご髯の長い老人さえやはり船ばたに立っていたのである。 川蒸汽は静....