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「外気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

外気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
がりながら、それを聞きすましでもするように、わざとまじめな顔をして天井を眺めた。外気にさらされた頬が赤くなって、小さな鼻の穴のまわりが、息をするたびに動いている....
或る女」より 著者:有島武郎
屈な階子段《はしごだん》をややよろよろしながらのぼって、重い戸をあけようとすると外気の抵抗がなかなか激しくって押しもどされようとした。きりっと搾《しぼ》り上げた....
深夜の市長」より 著者:海野十三
わす……ことを御存知でしょうネ。つまりそれで僕は知りたいのですよ。昨夜と今夜との外気の温度の比較をネ。……」 「そうですねえ、今夜の方が昨夜よりすこしばかり寒い....
振動魔」より 著者:海野十三
るのだった。だがその割合に呼吸ぐるしくないのは、電気装置が働いて、室内の空気が、外気と巧みに置換せられているせいだったかも知れない。三重|壁体も完成すると、機械....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
けているかの女は、老紳士の「ははあ、それは好い」と片付けた、そのアッサリし方が案外気に入って、少しおかしくなった。そして、この親を持つ子供はどんな子供かと、微笑....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
る唐蜀黍の花や葉をながめながら、小さい風呂にゆっくりと浸っているのも、いわゆる郊外気分というのであろうと、暢気に悟るようにもなった。しかもそう暢気に構えてばかり....
霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
れがしてきた。はじめは、どうなることかと思ったが、たましいだけで暮していると、案外気楽なものであった。第一食事をする必要もないし、交通禍《こうつうか》を心配しな....
什器破壊業事件」より 著者:海野十三
の店開きは、こうして行われた。 そのとき光枝が感じたことは、物を壊すことは、案外気持のいいことである。もちろん物資愛護の叫ばれる現下の国策に背馳する行為ではあ....
地軸作戦」より 著者:海野十三
が垂れてくるわ」 「ああ宰相閣下。そうお思いになるのは無理ではありません。今日は外気の気温の方が室内よりも高いのでありますぞ。窓をお開きになってみて下さい。途方....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
さみしそうなその方にも、いまの立山が聞かせたいと、何となくそのお一方が、もっての外気になるようで、妙に眉のあたりを暗くしましたっけ、熟と日のかげる山を視めたが、....
歯車」より 著者:芥川竜之介
は丁度戸の前に佇み、誰もいない部屋の中を眺めまわした。すると向うの窓硝子は斑らに外気に曇った上に小さい風景を現していた。それは黄ばんだ松林の向うに海のある風景に....
荘子」より 著者:岡本かの子
種の品格が備わるのであった。荘子は扉を無器用に開けて土間へ入って来た。快晴の日の外気を吸って皮膚は生々した艶を浮べて健康そうに上気した顔は荘子の洛邑に住居した時....
郊外生活の一年」より 著者:岡本綺堂
る唐蜀黍の花や葉をながめながら、小さい風呂にゆっくりと浸っているのも、いわゆる郊外気分というのであろうと、暢気に悟るようにもなった。しかもそう暢気に構えてばかり....
扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
をあなたがいつまでも面倒見てやって下さい。私の手には余ります」 すると及川は案外気さくに引受けて 「は、承知いたしました」 及川はどういう意味に母の頼みを引....
」より 著者:岡本かの子
。 室子は手早く漕艇用のスポーツ・シャツに着換えた。 逞ましい四肢が、直接に外気に触れると、彼女の世界が変った。それは新しい世界のようでもあり、懐しい故郷の....