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外輪
「外輪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
外輪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
りました。夫たるべき陽吉が内輪に歩行を運び、妻たるべき新嫁《にいよめ》は大またに
外輪だったのです。しかし、事はいやしくも犯してならぬ性の秘密にかかわっていました....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ときたま》霽《は》れて、Rim-bo-ch'e《リム・ボー・チェ》(紅蓮峰)ほか
外輪四山の山巓《さんてん》だけが、ちらっと見えることがある。しかし主峰は、いつも....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
も気味悪いことには、先へ行くにつれて、耳のような形に曲りはじめ、しかもその端が、
外輪《そとわ》に反《そ》り返っているのだ。また、他の四本も、中指にはほとんど痕跡....
「雪中富士登山記」より 著者:小島烏水
、尖端を鋭くして、舌のように垂れている、火口底は割合に、雪が多くない。振り返れば
外輪山から山腹までの大絶壁は、葡萄《えび》色に赭《あか》ッちゃけて、もう心もち西....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
の快速を持つ小航空母艦の感ある七千|噸巡洋艦二十五隻を以て固め、更にその五キロの
外輪を、二百隻の駆逐艦隊を配置し、別に八十隻の潜水艦を奇襲隊として引率し、又此の....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
帯の一高峰として、富士の姉妹山であるばかりでなく、そのくずれた火山形にある、即ち
外輪山の火口壁が欠損して、最高点の赤岳をはじめ、硫黄岳、権現岳、擬宝珠岳、西岳な....
「死者の書」より 著者:折口信夫
、青い響きの吹雪を、吹き捲く嵐――。 雲がきれ、光りのしずまった山の端は細く金の
外輪を靡かして居た。其時、男岳・女岳の峰の間に、ありありと浮き出た 髪 頭 肩 ....
「山の湯雑記」より 著者:折口信夫
ないから、じっとして居れば、居られない程ではない。が、三時半にかっきりと、前山の
外輪にそれが隠れて、直射は来なくなる。それまではきっと出あるく事にして居た。 古....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
であろうか! ……見渡す眼下の湖水の水は何物にか引かれてでもいるかのように渦の
外輪は大波を立て、渦の内輪は独楽のように澄み切った速さで廻っている……名も知らぬ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
の市をまとめて下に敷き隠してしまうのはワケはない。おまけに、沙漠はかなりの高さの
外輪山で壁をめぐらしているから、熔岩は相当の厚さで沙漠に溜り、壁よりも高く溜らな....
「山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
というよりも、壺前栽を描いたというような図どりである。一番心の打たれるのは、山の
外輪に添うて立ち並ぶ峰の松原である。その松原ごしに、阿弥陀は出現している訣であっ....
「太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
とくに静まり返る、彼は得意そうに説明を続ける。 「さて諸君、急速力に依って出来た
外輪は、二個三個遂に八個となり、しかも相ともに回転しつつあった、しかるにこの小瓦....
「氷湖の公魚」より 著者:佐藤垢石
淡青色で味がやわらかい。茶を煎じて熟すに適う。なお底石が細かい火山の噴出物で四時
外輪山から湧水を注ぎ込み、餌の藻蝦が豊富であるから他の不純物を口にしないので公魚....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
を望み、左方に小嶼の波間に点在するを見る。朝気やや秋冷を覚ゆ。 火輪蹴。 (船の
外輪は海をけたてて波のまを走り、豪州の山の景色が雄壮であることをみる。景勝を探す....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
代に大川に浪を立てるものは「一銭蒸汽」のあるだけだった。或はその外に利根川通いの
外輪船のあるだけだった。僕は渡し舟に乗る度に「一銭蒸汽」の浪の来ることを、――こ....