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外郭
「外郭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
外郭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
とは、言葉で「侘びしい」とは言いませんでしたが、無言のひどい侘びしさを、からだの
外郭に、一寸くらいの幅の気流みたいに持っていて、そのひとに寄り添うと、こちらのか....
「勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
てるのは、かなりにばからしいことであった。もう独軍の重砲弾が、盛んにワルシャワの
外郭《がいかく》を見舞っている。自分は、夜が明ければ、この鏖殺的《おうさつてき》....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ればならない、と主張している。これから推論すると、遊星を中心に引く力は、この渦の
外郭から遊星への距離に正比例し、太陽から遊星への距離に反比例することになる。しか....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
うすらぎ、帝都の人々は、ただもうグッタリとして涼を求め、睡眠をむさぼった。帝都の
外郭にそっと環状を描いて走る省線電車は、窓という窓をすっかり開き時速五十キロメー....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ような木戸のみの残ったところもある。旧城郭の関門とも言うべき十五、六の見附、その
外郭にめぐらしてあった十か所の関門も多く破壊された。彼は多吉夫婦と共に以前の本所....
「浮世絵の曲線」より 著者:寺田寅彦
ーションを示している。同じ線のリズムの余波は、あるいは衣服の襟に、あるいは器物の
外郭線に反映している。たとえば歌麿の美人一代五十三次の「とつか」では、二人の女の....
「函館の大火について」より 著者:寺田寅彦
根拠があるが、その時のこの頂角がだいたいにおいて、今度の函館の火元から焼失区域の
外郭に接して引いた二つの直線のなす角に等しい。そうしてこの頂角を二等分する線の方....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
スをふきだして、空気のない空間を、どんどん速度をあげて進んでいくのだ。 球形の
外郭《がいかく》には、たくさんの窓があいている、もちろん穴はあいていない。厚い透....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
のなかにはあのように、しっかりした建造物があるんだ。霧かゴムのようにふんわり軟い
外郭があるかと思うと、そのなかにはあのようなしっかりした建造物がある。いよいよふ....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
に居た主人義隆に援を請い、義隆が直ちに諸将を遣わしたのに本づくので、中新田の城の
外郭《そとぐるわ》までは奪《と》ったが、其間に各処の城々より敵兵が切って出たから....
「死者の書」より 著者:折口信夫
てあって、戸のあげてある時は、外からの隙見を禦いだ。 それから外廻りは、家の広い
外郭になって居て、大炊屋もあれば、湯殿|火焼き屋なども、下人の住いに近く、立って....
「札幌まで」より 著者:寺田寅彦
だ人間と動植物が生存競争をやっていて、勝負がまだ付いていないという事は札幌市内の
外郭を廻っても分る。天孫民族が渡って来た頃の本土のさま、また朝鮮の一民族が移って....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
ある筈だ。そこで、僕は、この犯人の靴跡の個有の型状――例えば、全体に小さい事や、
外郭の幅が普通の靴底のそれよりも遥かに平坦で細長い事や、土つかずの割合が大きくそ....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
は、若い君に言うだけ野暮だと僕は思う。せめて、現在、劇壇の内部と、それに密接した
外郭とに動きつつある、微力かも知れないが、新鮮な機運を、君は見逃してはなりません....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ったことを知った。スペインの一軍がフランダースから進撃してきた、カレイを包囲し、
外郭を破壊したのである。攻囲軍の銃砲の唸りは――カムデンの記録によれば――グリイ....