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夙に
「夙に〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夙にの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仇討禁止令」より 著者:菊池寛
手向いしたことは一度もござりませぬ。まして、御本家水戸殿においては、義公様以来、
夙に尊王のお志深く、烈公様にも、いろいろ王事に尽されもしたことは、世間周知のこと....
「真田幸村」より 著者:菊池寛
理亮は「河幅こそ広けれ、いと浅し」と言って、自ら先に飛込んで渡った。 幸村は、
夙にこの事あるを予期して、河底に鉄鎖を沈め置き、多数が河の半ばまで渡るを待って、....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
涙もかきあへねば筆の跡さへ滞りぬ」と『神皇正統記』の中で慟哭して居る。 正成|
夙に戦死し、続いて北畠|顕家は和泉に、新田義貞は北陸に陣歿し、今や南朝は落漠とし....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
大正六年一月末、午後二時の太陽は静に大東京の隅々までを照していた。松飾などは
夙に取退けられて、人々は沈滞した二月を遊び疲れた後の重い心で懶げに迎えようとして....
「運命」より 著者:幸田露伴
、皇帝|遐陬に雲遊するの因とならんとは。 太祖が諸子を封ずることの過ぎたるは、
夙に之を論じて、然る可からずとなせる者あり。洪武九年といえば建文帝未だ生れざるほ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ていた老僕なのでございます。私が三浦へ嫁いだ頃は五十|歳位でもあったでしょうが、
夙に女房に先立たれ、独身で立ち働いている、至って忠実な親爺さんでした。三浦へも所....
「白銅貨の効用」より 著者:海野十三
器操作の効用 十銭白銅貨や五銭白銅貨をもって自働販売器の類を操作させることは、
夙に逓信省が公衆電話にて行えるところで、近来は鉄道省も之を切符販売用に用い、専売....
「十年後のラジオ界」より 著者:海野十三
、『眼で見るラジオ』というのが完成して実用されるからだ。無線遠視は冥土に於いては
夙に発達している。地獄の絵を見ると、お閻魔さまの前に大きな鏡がある。赤鬼青鬼にひ....
「二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
る。満洲事変以来|擡頭し来れるファッシズムに対して、若し〈軍部〉にその人あらば、
夙に英断を以て抑止すべきであった。 国軍の本務は国防に在るか奈辺に在るか、政治....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
高き池田新太郎少将光政で、徳川|家康の外孫の格。将軍家に取っては甚だ煙ッたい人。
夙に聖賢の道に志ざし、常に文武の教に励み、熊沢蕃山その他を顧問にして、藩政の改革....
「瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
、我海軍の歴史に堙没すべからざるものなり。 当時、諭吉は旧中津藩の士族にして、
夙に洋学に志し江戸に来て藩邸内に在りしが、軍艦の遠洋航海を聞き、外行の念自から禁....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
観の片影をだも認められない。 寒月の名は西鶴の発見者及び元禄文学の復興者として
夙に知られていたが、近時は画名が段々高くなって、新富町の焼けた竹葉の本店には襖か....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
におこなわれた大化改新が、明治維新にまさるとも劣らぬ大維新であったことは、諸君も
夙に熟知しておられるところであろう。明治維新を境として、欧洲文明がしきりに移植さ....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
夙の者が都邑の警固に任じ、捕吏を職とし、雑役に任じたことは、片桐且元の兵庫の
夙に関する文書(三巻四号五二頁「鹿鳴随筆」所収)以下、その証拠がすこぶる多い。彼....
「洗いづくりの美味さ」より 著者:北大路魯山人
及んでは、誰しもなるほどと合点せざるを得ないまでに、段違いの美味さをもつことは、
夙に天下の等しく認めるところで、関東魚はこの点、一言半句なく関西魚の前に頭を下げ....