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「多かれ少なかれ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

多かれ少なかれの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ある崖上の感情」より 著者:梶井基次郎
の顔をじっと見詰めて返答を待っていた。 「僕がそんなマニヤのことを言う以上僕にも多かれ少なかれそんな知識があると思っていいでしょう」 その青年の顔にはわずかば....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
然な評論的論文のスタイルの約束でなければならぬのだが、併し所謂主張型なるものは、多かれ少なかれ、思考上に於ても分析を軽んじた結果であるらしいのが、多くの場合の事....
道徳の観念」より 著者:戸坂潤
って、シュタウディンガーやM・アードラー、フォルレンダー達のカント社会主義者は、多かれ少なかれ、この常識のこうした科学的合法化の後継者に他ならなかったのである(....
イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
の資格を明白には自覚せず又そうする必要のないような問題――没性格的な問題――は、多かれ少なかれ、かかる資格からの抽象として理解される。もしそうでなければ例えば数....
イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
ックスフォード・ソルボンヌなど)、資本主義制度によって確立された其後の諸大学も、多かれ少なかれこの封建制度からの伝統にぞくしているものが多い(例えばドイツの新し....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
の反技術主義は何も国粋主義乃至広義のファシズムのイデオロギーには限らない。今日の多かれ少なかれファッショ化した資本主義的乃至半封建的ブルジョア哲学の共通の最後の....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
学を尽すものではないが、それにも拘らず殆んど凡ての「社会学」は、その本質に於て、多かれ少なかれ形式社会学的性格を持っている。それは高々歴史的材料を以て歴史的原理....
認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
謂実在だけが認識の対象には限らないと云われるかも知れない。だが他の認識の対象は、多かれ少なかれ実在に(夫が何であれ)準じて考えられていることを思い出さねばならな....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
づけて了うことにもなる。例えば今日の左翼団体の言論に於て見られるような美文体は、多かれ少なかれ、この漢文式に「円熟」した熟語か又は未熟な「術語」の効果を利用して....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
法なのである。 わが国などに於ては有力な社会科学者(歴史家も亦)の殆んど凡ては多かれ少なかれマルクス主義の洗礼を受けている。最もギルド的に意識の固定した文学者....
学生と教養」より 著者:倉田百三
倫理学はほとんどことごとく「最大多数の最大幸福」を社会理想として実現せんとする、多かれ少なかれ、社会改良運動の実践と結びついたものであり、現実のイギリス社会に影....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
おことわり致しますよ。彼女は、あなたとは縁なき衆生です。たぶん、ぼくと彼女とも、多かれ少なかれ縁なき間柄であるらしいようですがね。念のために、それだけはお伝えし....
光は影を」より 著者:岸田国士
眼をつぶつた。両親をはじめ、家族の一人一人の面影が瞼に浮ぶ。それらの一人一人が、多かれ少なかれ「家」を愛し、そして、「家」を憎んでいた。春の風が、ある時は、あの....
チェーホフの短篇に就いて」より 著者:神西清
チェーホフの短篇小説を読んでいると、特に後期の作品について、このような分析が多かれ少なかれ可能でもあり適切でもある場合に屡※行きあたるのである。してみるとこ....
ある完全犯罪人の手記」より 著者:酒井嘉七
も、この種の「秘密」は必ずその「箱」のどこかに漏口を見出して、何時かは子供の前に多かれ少なかれ流れ出る。私の場合、この「箱」は非常に堅牢なものであり、その上私自....