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「多元〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

多元の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
の合目的的形成について考えてみる。およそ異性的特殊性の基礎は原本的意味においては多元を排除する二元である。そうして、二元のために、特に二元の隔在的《かくざいてき....
思い出す事など」より 著者:夏目漱石
ない脈を打たして、看護の人をはらはらさせていた日であろう。 教授の最後の著書「多元的宇宙」を読み出したのは今年の夏の事である。修善寺《しゅぜんじ》へ立つとき、....
深夜の市長」より 著者:海野十三
、沙漠の上に捨てられてある廃都にも似かよっていたが、その魅惑的であり神秘的であり多元的である点については、沙漠に埋れている廃都などとは比すべくもない。…… 僕....
地球盗難」より 著者:海野十三
知れない。まあそんなわけで、この村には興味ふかい謎がウンと落ちているのだ。まるで多元連立方程式の、その要素をなす一つ一つの方程式があっちこっちにバラバラ落ちてい....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いう結論になる。けれども、事実はけっしてそうじゃないんだ。まして、全体がすこぶる多元的に構成されている――。何も手掛りはない。曖昧朦朧とした中に薄気味悪い謎がウ....
科学と文学」より 著者:寺田寅彦
人々のその瞬間以前におけるありとあらゆる物理的生理的心理的経験の総合された無限に多元的な複合の無限な変化によって、無限に多様な変化を見せるであろう。さらにもっと....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
像はつくだろう。普遍人間的なものに対する、又文芸に対する、こうした二元論(乃至は多元論)は、全く彼の自由主義者的な「政治」理解の制限から来るのである。 森山啓....
辞典」より 著者:戸坂潤
過ぎないという。世界乃至宇宙も、亦、絶対性を有たず即ち唯一性(一元性)を有たず、多元的な宇宙として相対化されねばならぬという。之は云うまでもなく真理なるもの又実....
女子の独立自営」より 著者:与謝野晶子
から、むしろ特例が多く、良い意味の変り物が多く出るのが結構なのです。一元論でなく多元論なんです。もし嘉悦孝子先生や幸田延子女史が結婚せられ、下田歌子先生が再婚せ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ムです。偉さの種類、普通さの種類、それぞれが内容にふれてはとりあげられないまま、多元的にいわれたりして。前の女の場合を仮りに云えば、その女のひとの稚ない善意にた....
恩人」より 著者:豊島与志雄
もの不可知の或るものが、彼の周囲をとりかこんで、それが無際限に連る。心霊の孤独と多元的宇宙の相互の愛とが、殆んど何等の矛盾なしに彼の心に感ぜられた。空と地とに啓....
虫喰い算大会」より 著者:海野十三
お話して参ったようなシャーロック・ホームズ探偵的な解き方ではなく、その運算書から多元の聯立方程式を得、それからばりばりと解いていく方法もございます。つまり代数的....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
絶対化しようとし、そして生命を調和ある一つの全体としようとするねがいから、私には多元の苦しみがいつも生じます。そして私の生活を調和ある静けさに保ちがたくなります....
読むうちに思ったこと」より 著者:小川未明
ば、当然のことであります。私達はそこに、文章の面白味を知り、また個々の性格を知り多元的な生存の特質を知り、さらに人生の何たるかを悟らんとするのであります。 私....