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多分
「多分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
多分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
もマゾフは国防計画よりも私娼保護を重んじたかどうか、その辺は甚だはっきりしない。
多分はやはり国防計画にも相当の敬意を払っていたであろう。しかしそれをそう云わなけ....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
《わたくし》は使命を果すためには、この国の山川《やまかわ》に潜んでいる力と、――
多分は人間に見えない霊と、戦わなければなりません。あなたは昔|紅海《こうかい》の....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
かにも、多加志の顔色や挙動などのふだんに変らないせいもあったのだった。「あしたは
多分熱が下《さが》るでしょう。幸い吐《は》き気《け》も来ないようですから」Sさん....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
く影をひろげているばかりである。彼の復讐の挙も、彼の同志も、最後にまた彼自身も、
多分このまま、勝手な賞讃の声と共に、後代まで伝えられる事であろう。――こう云う不....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
博士は職業的に、透《す》かさず愛想《あいそ》の好い返事をした。
「そうでしょう。
多分はあなたの御覧になった後《あと》で発したかと思うんです。第一まだ病状が、それ....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
夜のことへ問を移した。
「数馬は確かに馬場の下にそちを待っていたのじゃな?」
「
多分はさようかと思いまする。その夜《よ》は急に雪になりましたゆえ、わたくしは傘《....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
東京へ帰りました。K君は何でもこの温泉宿へ妹さんの来るのを待ち合せた上、(それは
多分僕の帰るのよりも一週間ばかり遅れるでしょう。)帰り仕度《したく》をするとか云....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
は帰命院妙乗日進大姉である。僕はその癖僕の実父の命日や戒名を覚えていない。それは
多分十一の僕には命日や戒名を覚えることも誇りの一つだった為であろう。
二
....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
馬の脚になったことは信ぜられぬと言う手紙をよこした。岡田氏はもし事実とすれば、「
多分馬の前脚《まえあし》をとってつけたものと思いますが、スペイン速歩《そくほ》と....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
眼にかかって来るから、お前はその間ここに坐って、おれの帰るのを待っているが好い。
多分おれがいなくなると、いろいろな魔性が現れて、お前をたぶらかそうとするだろうが....
「格さんと食慾」より 著者:芥川竜之介
。尤も実際口へ入れて見たら、予期通り一杯やれるかどうか、その辺は頗る疑問である。
多分はいくら香料をかけても、揉み上げにしみこんだ煙草の匂は羊肉の匂のようにぷんと....
「久米正雄氏の事」より 著者:芥川竜之介
れはじゃ何だと云われると少し困りますが、まあ久米の田舎者の中には、道楽者の素質が
多分にあるとでも云って置きましょう。そこから久米の作品の中にあるヴォラプテュアス....
「島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
実である。) 島木さんは大分憔悴していた。従って双目だけ大きい気がした。話題は
多分刊行中の長塚節全集のことだったであろう。島木さんは談の某君に及ぶや、苦笑と一....
「豊島与志雄氏の事」より 著者:芥川竜之介
へ来た時に、ムンクの画が好きだと云いながら、持っている本を出して見せた事がある。
多分好きだろうと思って、ギイの素描を見せたら、これは嫌いだと云ったのもその時では....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ことがある。自分で手紙が書けないので、ファラデーを書記に頼んだことがあるらしい。
多分マスケリーの紹介であったろう。しかしこれは、ほんの数日であった。 その後し....