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「多妻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

多妻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
徒たる僕等よりも道徳の高い人間ではない。のみならず事実上の一妻多夫は事実上の一夫多妻と共に、いかなる国にもあるはずである。実際また一夫一妻はチベットにも全然ない....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
貰う訳にゃいかないでしょうか」 「みんなですか、それはあまり慾張りたい。君|一夫多妻主義《いっぷたさいしゅぎ》ですか」 「多妻主義じゃないですが、肉食論者《にく....
奴隷根性論」より 著者:大杉栄
めなければ永劫にあらしがあるなどと嚇す。 ブーサ族の酋長が、ヨーロッパでは一夫多妻を禁じていると聞いて、「外の人にはそれも善かろうが、しかし酋長には怪しからん....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
槃経よ、仏教こそは讃美べきかな。……恥ずべきは人の世だ。戦国の世の浅ましさ、一夫多妻、叔姪相婚、父子兄弟相|鬩ぎ、骨肉互いに啄もうとしている。……愚かしいは迷信....
野狐」より 著者:田中英光
たといってよい。 ところで私は、俗物たちが妾をもって平然としているように、一夫多妻主義で納まっていることはできない。道徳的には妻子のもとに帰るのが正しいと思わ....
男女関係について」より 著者:大杉栄
うが、たとえば同じ自由恋愛でもあるいは一夫一婦の、あるいは一夫多婦のあるいは多夫多妻の種々なる形をとることができようが、男女関係は、大して珍らしいことでもなくな....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
になり、 ヴォルテールや シオペンハウエルや その他の多くの学者の 説によると多妻を好むのは 人類の本能である そうです と、演説口調になったかと思うと、急....
続堕落論」より 著者:坂口安吾
ばかりなのである。 原始人の生活に於ては、家庭というものは確立しておらず、多夫多妻野合であり、嫉妬もすくなく、個の対立というものは極めて稀薄だ。文化の進むにつ....
女大学評論」より 著者:福沢諭吉
とは最も好き教訓にして、男女共に守る可き所なれども、我国古来の習俗を見れば、一夫多妻の弊は多くして、一妻多夫の例は稀なるゆえ、金石の如き心は特に男子の方にこそ望....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
結合が一般にあまりに早く行われれば、女性の生殖力は減殺されるであろう。一妻よりも多妻の場合の方が一般であるが、しかし驚くべきことには、コリンズ氏は二人以上の子供....
犂氏の友情」より 著者:久生十蘭
、迂遠な学問に憂身《うきみ》を窶《やつ》していられるのである。 たとえば、一夫多妻の制度が、厳重な一夫一妻制度に発達した、こういう事実からみて、道徳は進歩する....
日本男子論」より 著者:福沢諭吉
ば、不幸にしてただ苦労にのみ苦しむこともあるべき約束なりと覚悟を定めて、さて一夫多妻、一婦|多男《ただん》は、果たして天理に叶《かな》うか、果たして人事の要用、....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
と小林家にもまた妻らしい女を迎えた。今なら重婚であるが、その頃は門並が殆んど一夫多妻で、妻妾一つ家に顔を列べてるのが一向珍らしくなかったのだから、女房を二人持っ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
いて少しく述べたい。ネパール国はこの頃だんだん国民が繁殖して行きます。それは一夫多妻主義で子を沢山|拵えることに骨を折って居るからです。何でも自分の国の勢力を外....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
イブル』なり。書肆曰く、モルモン宗はすなわち『バイブル』宗なり。政教子曰く、その多妻なるはいかん。書肆曰く、多妻はもとより『バイブル』の許すところなり。翌朝、政....