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「多寡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

多寡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
とするらしい目つきだった。古藤なんぞに自分の秘密がなんであばかれてたまるものかと多寡《たか》をくくりつつも、その物軟《ものやわ》らかながらどんどん人の心の中には....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
って、おれはいい恥を掻かなければならない事になった。佐野の大尽ともあるべき者が、多寡《たか》が四百両や五百両で大兵庫屋の花魁を請け出そうとした――そんなことが世....
心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
両という儲《もう》けがある。それでお前を迎いに来た。大工の丁稚奉公などしていても多寡が知れている。おれと一緒に西国へ来て大商人《おおあきんど》の跡取りになれと囁....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
どうなったんだ。玉川ゴルフ場から十分ぐらいの半径の中なら、一軒一軒当っていっても多寡が知れているではないか。どうして分らぬのか、分らんでいる方が六ヶ|敷いと思う....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
当り次第に叩き落すと、五分か十分のあいだに忽ち数十匹の獲物があった。今日の子供は多寡が二|疋三疋の赤蜻蛉を見つけて、珍しそうに五人六人もで追い廻している。 き....
修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
るも出来せず、幾たびか延引を申し立てて、今まで打ち過ぎしは何たることじゃ。 五郎多寡が面一つの細工、いかに丹精を凝らすとも、百日とは費すまい。お細工仰せつけられ....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
う処必ずしも正鵠では無い。且文芸上の作品の価値は区々の秤尺に由て討議し、又選票の多寡に由て決すべきもので無いから、文芸審査の結果が意料外なるべきは初めから予察せ....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
いうめくらだけれど、おさらいの看板ぐらいは形でわかりますからね、叱られやしないと多寡をくくって、ふらふらと入って来ましたがね。おさらいや、おおさえや、そんなもの....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
おり私などは別にこれと申してすぐれた器量の女性でもなく、又修行と言ったところで、多寡が知れて居るのでございます。こんなものがお宮に祀られるというのはたしかに分に....
水鬼」より 著者:岡本綺堂
った。 尾花川の堤にはときどきに狐が出るなどというが、まさかそうでもあるまいと多寡をくくって、僕は大胆に答えた。 「そうです。僕は秋坂です。」 幽霊か狐のよ....
恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
「でも、おまえの怪我はどうだえ。痛むだろう。」 「なに、大したこともありません。多寡が打傷ですから。」 「じゃあ、まあ、あしたになっての様子にしよう。なにしろお....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
聞いているばかりで、さのみ遠くもあるまいと思うていたに、女子の足は甲斐ないもの、多寡が一※あまりも費して、皆にも要らぬ苦労をかけた。それにしてもさすがはそなたじ....
思い出草」より 著者:岡本綺堂
手当り次第に叩き落すと、五分か十分の間に忽ち数十|疋の獲物があった。今日の子供は多寡が二疋三疋の赤蜻蛉を見付けて、珍らしそうに五人も六人もで追い廻している。 ....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
には世人を驚嘆せしむる戦功を立てしめたのである。 第一線決戦の特徴として兵力の多寡は第二線決戦のように決定的でない。フリードリヒ大王時代は寡兵をもって衆を破る....
自来也の話」より 著者:岡本綺堂
損じるところであった。我来也は外にいる。この獄屋につないであるのは全く人違いだ。多寡が狐鼠狐鼠どろぼうだから、杖罪で放逐してしまえ。」 彼の囚人は獄屋からひき....