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「多岐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

多岐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蘭学事始」より 著者:菊池寛
者は、中川淳庵、小杉玄適、嶺春泰、鳥山松園など、皆医師ばかりであったので、対話は多岐にわたらずして、緊張していた。ことに、書記役《シキリイバ》の一人のバブルは、....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
あいだへ道をあけていったのです。どこまで行くか、どこで終るのか、形も蟻穴のように多岐怪曲をきわめた――『蕨の切り株』の地下の大迷路です。それも、上から水がくるた....
食魔」より 著者:岡本かの子
これを恨みとして、その恨みの根を何処へ持って行くのかとなると、それはまたあまりに多岐に亘り複雑過ぎて当時の彼には考え切れなかった。嘆くより後れ走せでも秘かに学ん....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
っと瞑目しながらうち考えたままでした。単純な事件と思われたのが俄然ここにいたって多岐多様、あとからあとからと予想外な新事実が降ってわいたからです。春菜の行くえ知....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
がなかったばかりでなく、今日では無理にそれが繊細化される必要に迫られた結果、益々多岐に分れて拾収出来なくなったのに由来している。だがこの伝統の複雑さ自身は何に原....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
られる。夫は存在の自己解釈であった。 人間学(アントロポロギー)の歴史は極めて多岐であり、その言葉の意味さえが様々である。遠く人間知に始まって人性論・人類学更....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
味に文化というものを限定して考えて見ても、その内容は云うまでもなく、際限のない程多岐で多端だ。科学・芸術・道徳・宗教・世界観・風俗習慣・其の他一切のものが、それ....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
なく見究める」ことが出来れば幸だ。 とまれ近時の科学界はあまりにこんとんとして多岐にわたっている。で、限られた面で見透すことは僭越だ。が、自然科学の、それも一....
喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
非常に多い。膠質化学の方面からの理論的興味は別としても実用方面からの研究もかなり多岐にわたって進んではいるがまだ分らないことだらけである。国家の非常時に対する方....
言語と道具」より 著者:寺田寅彦
このようにして記載的博物学の系統が芽を出し始める。 分類は精細にすればするほど多岐になって、結局分類しないと同様になるべきはずのものである。しかしこの迷理を救....
秦の出発」より 著者:豊島与志雄
大体その本性が推察されていたのである。――周は全く各方面に知人が多く、それがまた多岐に亘っていて、政治的に、日本側とも、南京政府側とも、重慶政府側とも、延安政府....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
かゆいところを黙殺しているだけの相違である。 しかし、現世は、コントンとして、多岐多端。なにも大文学者だけが文士でなければならぬという厳正にして面倒なところで....
性格としての空間」より 著者:戸坂潤
的に示すために、之と反対な仕方――後の場合――の困難を指摘して見ることにしよう。多岐に渡るのを避けるために歴史的内容に富む形而上学的乃至神学的――多くの空間理論....
田舎から東京を見る」より 著者:黒島伝治
たくさんある。養鶏をしている者、養豚をしている者、鰯網をやっている者もある。複雑多岐でその生活を見ているだけでもなか/\面白い。このなかに身をひそめているのはひ....
法学とは何か」より 著者:末弘厳太郎
として書き表すことはできないものであろうか。それは要するに、世の中の出来事が複雑多岐を極めているから、そのすべてを予想してその一々に適用される法を法規にしようと....