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「多才〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

多才の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
しおらしい様子がいやが上にも人のうわさを引く種《たね》となって、葉子という名は、多才で、情緒の細《こま》やかな、美しい薄命児をだれにでも思い起こさせた。彼女の立....
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
の学問に達していた人はほとんどなかったそうであります。イギリスの文学者中で博学、多才といったならばたぶんトーマス・グレイであったろうという批評であります。しかし....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
らしい最初の人は『博物史』(Histoire naturelle 一七四五年)の多才なる著者として知られたビュッフォン(Buffon)であった。ビュッフォンはデ....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
の心の目にかわるがわる映って来るのである。 一方は、燃ゆるがごとき新情想を多能多才の器に包み、一生の寂しみをうち籠めた恋をさえ言い現わし得ないで終ってしまった....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
禁錮の身だったというじゃありませんか。戸を出でずして天下を知るですか。どんな博識多才の名士だって、君、九年も戸を出なかったら、京都の事情にも暗くなりますね。あの....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
読をも授けて来た。幸い美濃岩村の旧藩士で、鎗屋町の跡に碁会所を開きたいという多芸多才な日向照之進は弓夫が遠縁のものに当たるから、和助はその日向の家族の手に託して....
狐と狸」より 著者:田中貢太郎
燕の恵王の墓の上に、一疋の狐と一疋の狸が棲んでいた。二疋とも千余年を経た妖獣であったが、晋の司空張華の博学多才であることを知って、それをへこますつもりで、少年書生に化けて、馬に乗って出て....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ら、博士の言う意味がよく呑込めました。且つまた、この季麿秀才は、年に似合わぬ博学多才で、能文達識で、品行が方正で、ことに人の悪口などを言うことが最も嫌いな好学の....
封三娘」より 著者:田中貢太郎
めて相談してからにしようと思った。三娘は門を出て帰っていった。 その時孟安仁は多才な秀才として知られていたが、貧乏であるから十八になっても結婚することができな....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
なる好奇心か、またはその他の動機によってたずねて来る『上流の』人たちや、最も博学多才な人々のみならず、過激な思想をいだいた人たちですら、他の者と同席か、または差....
文学のふるさと」より 著者:坂口安吾
はその質問に返事することができませんでした。何事にまれ言葉が用意されているような多才な彼が、返事ができなかったということ、それは晩年の彼が始めて誠実な生き方と文....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
自分で提灯を下げて竹屋の渡しあたりまで送ってくることさえ珍しくなかった。彼の博学多才《はくがくたさい》には伝二郎もほとほと敬意を表していた。何一つとして識らない....
探偵小説壇の諸傾向」より 著者:平林初之輔
あれだけの長さでは、筋だけを追うことしかできないために効果が半減されている。多芸多才、能文達筆の氏にとっては、堂々たる本格探偵小説の長編に精力を集中するのがいち....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
たという奇抜な逸事を残したほどの無風流漢であった。随って商売上武家と交渉するには多才多芸な椿岳の斡旋を必要としたので、八面|玲瓏の椿岳の才機は伊藤を助けて算盤玉....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
する美しさを持っていた。彼女を、歴史上の最高の外交家に仕立てたのはこの精神的多芸多才である。敵のなかのもっとも明敏な相手を迷わせ、もっとも用心深いものを欺いた。....