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多摩川
「多摩川〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
多摩川の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鮨」より 著者:岡本かの子
女の子になったのだと判って、いつの間にか疑いは消えた。 ともよは学校の遠足会で
多摩川べりへ行ったことがあった。春さきの小川の淀みの淵を覗いていると、いくつも鮒....
「ネオン横丁殺人事件」より 著者:海野十三
ノ、昨夜は、ちょっと外泊したんですが……」と、彼女は行末を契ったNという青年と、
多摩川の岸にあるH風呂へ泊りに行ったことを、真直ぐに告白した。そうして、午前五時....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
ったか、杳として消息が入らなかった。 だが、矢走千鳥は無事に生きていた。彼女は
多摩川を眼下に見下ろす、某病院の隔離病室のベッドの上で、院長の手厚い介抱をうけて....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
も嫌いもなくなっちまう」 「まあそれはそうだけど」 往還のアスファルトに響いて
多摩川通いのバスが揺れながら来た。かの女等はそれを避けて畑道へそれた。畑地には、....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
十年か聖人と渾名して敬愛していた旧家の長老のために、家先に香炉を備えて焼香した。
多摩川に沿って近頃三業組合まで発達した東京近郊のF――町は見物人の中に脂粉の女も....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ないので、ここでは七不思議の一つと云われています。そこで、その鷺や鵜は品川の海や
多摩川のあたりまで飛んで行って、いろいろの魚をくわえて来るが、時にはあやまって其....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
不幸というべきは、この夜半の馬力が暑いあいだ最も多く通行することである。なんでも
多摩川のあたりから水蜜桃や梨などの果物の籠を満載して、神田の青物市場へ送って行く....
「一坪館」より 著者:海野十三
うな野原は、これから二キロほど先の三軒茶屋よりもうすこし先のところから始まって、
多摩川の川っぷちまでの間に多分みつかるだろう、と教えてくれた。 「ありがとうござ....
「超人間X号」より 著者:海野十三
た。 こうして博士は、東京の西郊《せいこう》にある柿ガ岡病院にはいった。ここは
多摩川《たまがわ》に近い丘の上にあるしずかな病院であった。この病院は、土地が療養....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
るが、道夫は学校から帰ると、例の重い心と事件解決への惻心とを抱いて、ひとりで広い
多摩川べりを歩いていた。彼の胸の中には、一つの具体的な懸案があった。それはいつだ....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
を浴びせられたのであった。 余りの無念|口惜しさ。それに因果な身をも耻入りて、
多摩川に身を投げて死のうとしたことが八たびに及んだ。それを発狂と見られて、土蔵の....
「春」より 著者:岡本かの子
、後年気違いになる前兆が、まだまだいくらもあった筈だ。 病院の門内に敷き詰めた
多摩川砂利が、不揃いな粒と粒との間に、桜の花片をいっぱい噛んでいる。 ――何処か....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
―家内第一の劇通 「船弁慶」と「夢物語」 団十郎の知盛――渡辺崋山と高野長英――
多摩川大洪水――狼と鵜飼――初日無代価 演劇改良と改作 演劇天覧――「勧進帳」の....
「快走」より 著者:岡本かの子
に黝ずんで見えていた。道子は光りを求めて進むように、住宅街を突っ切って空の開けた
多摩川脇の草原に出た。一面に燃えた雑草の中に立って、思い切り手を振った。 冬の....
「魔性の女」より 著者:大倉燁子
入りそびれていると、客の気配を聞きつけて、奥から出て来た素人臭い女中に案内され、
多摩川砂利を踏んで、右手の朱雀門から庭の茶席へ通された。 数寄を凝らした部屋を....