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多時
「多時〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
多時の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「草枕」より 著者:夏目漱石
る部屋の入口を出るとき、顧《かえり》みてにこりと笑った。茫然《ぼうぜん》たる事|
多時《たじ》。 十 鏡が池へ来て見る。観海寺の裏道の、杉の間から谷へ降りて、向....
「博士問題とマードック先生と余」より 著者:夏目漱石
さく》の際非常に頭を使う結果として、しまいには天を仰《あお》いで昏倒《こんとう》
多時にわたる事があるので、奥さんが大変心配したという話も聞いた。そればかりではな....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ものだった。 それをまたひとりでここで見直しつつ、半ば過ぎると、目を外らして、
多時思入った風であったが、ばさばさと引裂いて、くるりと丸めてハタと向う見ずに投り....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
わってゆきたいと存じます。 第二講 語るより歩む 観自在菩薩。 行深般若波 羅蜜
多時。 照。 度。 般若の哲学 これから申し上げるところは、「観自在菩薩、深般....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て見えないから、ちょっと際限を知り難い。
「あっ!」
と言って三人が立ち尽すこと
多時、
「豪勢だな、おれは那智は知らんが、たしかに日光の華厳以上だよ」
と丸山勇....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
気分になって、ここで、おたがいに携帯の弁当を開き、水筒の水を啜《すす》って、会談
多時でありましたが、青年は食事中に、歴史的知識を兵馬に授けました、 「ここです、....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
のが響き出した、その声が、何とも言われぬ……」 二十八 「寝てから
多時経つ。これは昼間からの気疲れに、自分の魘される声が、自然と耳に入るのじゃない....
「父の墓」より 著者:岡本綺堂
ば我は実に不幸の子なりき。泉下の父よ、幸に我を容せと、地に伏して瞑目合掌すること
多時、頭をあぐれば一縷の線香は消えて灰となりぬ。 低徊|去るに忍びず、墓門に立....
「上野」より 著者:永井荷風
篠池作なるものを載せている。其一に曰く「一臥茅堂篠水陰。長裾休曳此蕭森。連城抱璞
多時泣。通邑伝書百歳心。向暮林烏無数黒。歴年江樹自然深。人情湖海空迢※。客迹天涯....