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多義
「多義〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
多義の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
か》でない。Sexual は性的である。性欲的ではない。しかし性という字があまり
多義だから、不本意ながら欲の字を添えて置く。さて教育の範囲内で、性欲的教育をせね....
「数学と語学」より 著者:寺田寅彦
に制定されているに反して、言語による思考の場合では、これらのすべてのものが複雑に
多義的であるから、一見同様な前提から多種多様な結論が生まれ出るように見える。しか....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
線に移る間に通過するその径路は、実は幾段にも重畳した多様な層の間にほとんど無限に
多義的な曲線を描く可能性をもっているのである。そうして連句というものの独自なおも....
「映画芸術」より 著者:寺田寅彦
具象の根と連結されている。かようにして天地間の万象は複雑きわまる網目によって無限
多義的に連関している。甲から乙に移る連絡道路だけでも無限に多数に存する。それらの....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
技術の哲学」は技術をどういう風に取り上げるか。――一体技術という言葉自身は非常に
多義な曖昧なものである。人々は単に物質的な生産技術(これは運輸技術其の他までも含....
「辞典」より 著者:戸坂潤
のであればこそ自然科学の名に値いするのである。 云うまでもなく自然という観念は
多義であり、従ってこの言葉によって云い表わされる所謂自然なるもの自身が何であるか....
「文学の中の科学的要素」より 著者:寺田寅彦
いわゆる環境なるものの範囲が明白に制限し難い点にある。従ってその実験の結果もまた
多義的であって、それの価値判断も困難である。しかし極端な場合を比較して見れば作者....
「範疇としての空間に就いて」より 著者:戸坂潤
とならないものは「存在」に於て何であるか。「物」がそれである。併し物という言葉も
多義であるのであろう。処が吾々は常に「制約」を求めているのである。であるから例え....
「性格としての空間」より 著者:戸坂潤
知れない。併し判断の還元性にはどれ程の権限があるのか。 判断という言葉がすでに
多義である。私は今茲で用いようと思う意味をとり出すために之を区別して見る必要があ....
「空間概念の分析」より 著者:戸坂潤
一定していないことを指摘したかったのである。さて理解という日常語はこのようにして
多義である。併し
多義なロゴス――言葉――の内には、おのずからロゴス――関連――が....
「クリティシズムと認識論との関係」より 著者:戸坂潤
いうことを注意すれば足りる。前にも述べた通り、文化の単なる向上という言葉はすでに
多義性を孕むに至っている。文化は単に向上するばかりでなく、進歩しなければならない....
「『劉生画集及芸術観』について」より 著者:和辻哲郎
ず、一切の真芸術は写実でなくてはならない。 ここにおいて自分は「写実」なる語の
多義に注意せざるを得ない。内なる真実の表現を意味する写実と、自然物に触発せられて....