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多謝
「多謝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
多謝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
、太宰治が泣き虫に見えてならぬ。ぼくが太宰治を愛する所以でもあります。暴言ならば
多謝。この泣き虫は、しかし、岩のようだ。飛沫《ひまつ》を浴びて、歯を食いしばって....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
いと、ひどく親切に言ってくれるのだ。泊めてもらおうじゃないか。」 「もちろんだ。
多謝、
多謝。」と、僕たちは口をそろえてかの老人に感謝した。 老人は笑いながら立....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
巨人たらん。かつて『近時政論考』の著あり、余の意想を啓発すること鮮少ならざりき。
多謝。 三宅雄二郎識 明治二十四年五月 例言 一、本篇は昨明治二十三....
「紀行文家の群れ」より 著者:小島烏水
漸く今日帰京御手紙の御返事相おくれ申訳これなく候草枕につき有益なる忠言を賜り有難
多謝候再版の時には訂正いたし度と存候貴著『日本山水論』は草村氏より拝受、確かに一....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
手痛かった。自分でも、それは薄々感じていたのだ。舌が長すぎるのだろうか。 「妄言
多謝だ。」兄さんは笑って、「お前は、僕なんかに較べると問題にならないほど、うまい....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
目を驚かすべき事は続々起こり来たりて、ほとんど彼をして考うるの暇なからしめたり。
多謝す、これがために武男はその心をのみ尽くさんとするあるものをば思わずして、わず....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
て、さて自分が勝つと――銀座の人込の中で、どうです、それ見たか、と白い……」 「
多謝。」 「逞しい。」 「取消し。」 「腕を、拳固がまえの握拳で、二の腕の見える....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
age !「安全なる御航海を祈る」。 同時に相方で、Y・O・Rの旗を上げる。「
多謝」である。そして、擦れ違う。 海の通行人は騎士のごとく慇懃だ。が、全船員は....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
したね!」ぐらいにしかこっちにはひびかない。その他あらゆる機会にあらゆる意味の「
多謝」をふりまく。そして、あらゆる意味の言葉なるものは、ただちに無意味な発音とし....
「雪女」より 著者:岡本綺堂
老人も枯れた高粱の枝をかかえて来て、惜し気もなしに炉の中へたくさん押込んだ。 「
多謝、
多謝。」 堀部君はしきりに礼を言いながら、炉のあたたまる間、テーブルの前....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
十一日の晩位に四方へ廻して一日から売りたかったですな。校正は御骨が折れましたろう
多謝々々。その上傑作なら申し分はない位の
多謝に候。『中央公論』などは秀英舎へつめ....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
や。余や、この籠を居となす、すでに一年。その間、先生により、つつがなきを得たり、
多謝深謝。さりながら、事と物とはままならぬことのみ多き浮き世の悲しさ、今や余が一....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
って、陛下の神の教会のための下僕たるべく候。故をもって、おん身心づくしのシャコに
多謝、かくのごとくに候」 すべてが終わったとき、エリザベスの、その涙のまだ流れ....
「大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」より 著者:神西清
。え、お留守だって? ふむ。……いや、有難う。結構だね。……そりゃ御親切に。……
多謝。」 ヤアギチは三度目にまた寝室に入って来て、妻の上にかがみこみながら、十....
「妻」より 著者:神西清
父称を君は知らないかね?」 「アンドレイ・スタニスラヴォーヴィチ。そう……」 「
多謝」と私は言って、ポケットから手帳を出して書きとめた。 沈黙が来た。そのあい....