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多面
「多面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
多面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
《むし》ろ廬山《ろざん》の峯々《みねみね》のように、種々の立ち場から鑑賞され得る
多面性を具えているのであろう。
古典
古典の作者の幸福なる所以《ゆえ....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
をそのままに作り、他の二人には冥界の獄卒が着る衣裳を纏わせて、いわゆる六道図絵の
多面像を作り上げたのでした」 とそういってから、杏丸の眼にチカッと嗤うような光....
「作物の批評」より 著者:夏目漱石
《あ》げれば際限がないからやめる。 作家が評家に呈出する答案はかくのごとく多種
多面である。評家は中学の教師のごとく部門をわけて採点するかまたは一人で物理、数学....
「自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
についてはまだ充分な解釈を下すに至らなかった。しかしこの物の形の基礎には立体的正
多面体の基本定型が伏在していて、条件によってその中の格好なものが成長の萌芽となる....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
もって貫かせた楽曲的構成にあると思われる。そうしてその単純明白なモチーフが非常に
多面的立体的に取り扱われているために、同じものの繰り返しが少しの倦怠を感ぜしめな....
「あとがき(『宮本百合子選集』第十巻)」より 著者:宮本百合子
、社会主義建設の事業は現代大きい摩擦のうちに行われている厳粛な人類的事業であり、
多面的であり、当然矛盾ももっている。正直な、客観的観察とその報告《ルポルタージュ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
く心懸ける。すると右の人物は、ここに初めて平生の僻見から離脱し、真理が思いの外に
多面的、又多角的である所以を悟って来る。次にわれ等は、右の人物として吸収し得る限....
「雑記(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
あるが、これももちろんただ音楽の雰囲気だけを要求したものに相違ない。彼は恐ろしく
多面的な忙しい頭脳をもっていた人である。時としては彼の神経は千筋に分裂して、その....
「文学以前」より 著者:豊島与志雄
心理の動向の一般的方式を求めんとすることである。もう一つは、人間の運命の推移を、
多面的に観察して、その多くの面の綜合によって一の立像組立てんとすることである。前....
「三木清を憶う」より 著者:豊島与志雄
幾多郎氏に師事していただけで、師弟の系譜なく、独自の存在であって、その交友は多岐
多面である。だから一般に彼は、なにか親しみ難い怪物的なものに見えたようだが、人柄....
「アインシュタインの教育観」より 著者:寺田寅彦
ずしも「人間」の先頭に立つものではない、強い性格者であり認識の促進者たるべき人の
多面性は語学知識の広い事ではなくて、むしろそんなものの記憶のために偏頗に頭脳を使....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
たろうか? 「僕がこの説を組立てる事が出来たのは、多数の手や首を持っている、所謂
多面多臂仏の感覚からなのです。所で、御承知の通り夢殿には、階下の正面に、殆んど等....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
で、打ち見たところ栓と云うより外に何の変哲もない代物だ。強て特徴と云えば栓の頭が
多面体に刻まれて、中ほどくらいまで金色に色を付けてあるくらいのもので、いくら見て....
「芸術と数学及び科学」より 著者:三上義夫
、その中には透視画法、図的解法などをも説いたのであった。 デューレルは紙上に正
多面体及び半正
多面体の側面をなすところの諸多角形を接続して描き、その縁に沿うて紙....
「台川」より 著者:宮沢賢治
り裂け目です。裂け目でいいんです。〕習ったというのは節理《せつり》だな。節理なら
多面《ためん》節理、これを節理と云うわけにはいかない。裂罅《れっか》だ。やっぱり....