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夜さり
「夜さり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夜さりの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「わが町」より 著者:織田作之助
を最後に、生駒に願掛けて絶っている酒の味を想って、身体がしびれるようだった。 「
夜さり呼びつけて、えらい済まなんだけど、話言うのはな、実はおまはんのその孫のこと....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
見えないじゃ、すると中には口の悪い者が有って、和尚様はまア男の積りにして彼の娘を
夜さり抱いて寝るなどゝ云う者も有るで、誠に何うも困るて、それからまア何うか相当の....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
の住居にござった時分は、背中に八枚鱗が生えた蛇体だと云っけえな。……そんではい、
夜さり、夜ばいものが、寝床を覗くと、いつでもへい、白蛇の長いのが、嬢様のめぐり廻....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
だ一目お顔の、とこだわりましけ。柳に受けて歩行かっしゃるで、機織場の姉やが許へ、
夜さり、畦道を通う時の高声の唄のような、真似もならぬ大口利いて、果は増長この上な....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
恐い化方はしませぬで。こんな月の良い晩には、庭で鉢叩きをして見せる。……時雨れた
夜さりは、天保銭一つ使賃で、豆腐を買いに行くと言う。それも旅の衆の愛嬌じゃ言うて....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
だが、今度は山から迎いが来たよ。祭礼に就いてだ。この間、宵に大雨のどッとと降った
夜さり、あの用心池の水溜の所を通ると、掃溜の前に、円い笠を着た黒いものが蹲踞んで....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
様子。今更ではあるまいけれど、私とは不思議な御縁やな。 思うてみれば、一昨日の
夜さり、中の芝居で見たまでは天王寺の常楽会にも、天神様の御縁日にも、ついぞ出会う....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
奥方が、名古屋第一ということに極めがついていますのよ、五年前――ちょうど、こんな
夜さりの品定めで、皆さんの評定がそこに定まって、どなたも異存がありませんでした…....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
かあるが、いまは此一首を以て代表せしめた。 ○ ぬばたまの
夜さり来れば巻向の川音高しも嵐かも疾き 〔巻七・一一〇一〕 柿本人麿歌集 柿本....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
造なんざ、名からして相性があわねえんです、お福なんて。 彼奴が相当に、抱ッこで
夜さり寝ようというのは、こけ勘が相応なんで、その夜なしの貧乏神は縁があったと見え....
「南北」より 著者:横光利一
わ。」 「安次ならうちへ連れて来てたもれ。なア、手にとって見てみやえな。中古でも
夜さりゃと新に買うたように見えようがな。」 「そんなら安次を連れて来るぜ。帯は後....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
さ、もうよかろう」 まといつく子供らの手をそっと解いて、 「晩にしよう。のう、
夜さりまた、ゆるりと、はなしをしようわえ」 正成もここではもう、その戦疲れを隠....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ていた。 「あの年頃ならよ、おらどもの家のハナタレ坊主を見さッし、遊びざかりで、
夜さりは、おふくろの肌を離れもしねえだに」 「それを遠くへ手放しなさる親御も親御....