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夜っぴて
「夜っぴて〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夜っぴての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
前も今の内に二階へ行って、早く一寝入りして来いよ。」
「うん、――昨夜《ゆうべ》
夜っぴて煙草ばかり呑んでいたもんだから、すっかり舌が荒れてしまった。」
洋一は....
「まざあ・ぐうす」より 著者:北原白秋
番目のがいいのけた。―― 「よくもめちゃくちゃにお針をさしたもんだすな」 またも
夜っぴて、猟をしてまわり、 これというもの根っから葉っからみつからない。 一つみ....
「ネオン横丁殺人事件」より 著者:海野十三
は家に居ましたよ。昨夜十二時から一歩も外へ出なかったそうです。腹が下ったとかで、
夜っぴて女房に、腹をさすらせたり、足をもませたりしていたそうです」 「重宝な現場....
「「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
しずまってから三位殿が自分から車のある所に行って会って今までの事行末の事なんかを
夜っぴてはなして居られた。だんだん朝になって来たので人目にかかってはと云うので車....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
んしてますよ。このジョンのすぐ横で、船荷の宰領(註八一)みてえに寝ましたよ、――
夜っぴて、枕を並べてね。」 リヴジー先生はこの時分には柵壁を越えて料理番のかな....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
のポケットにあるわよ。あたし、どうしてあんなばかなことをしたろうと思って、ゆうべ
夜っぴて後悔したのよ。さ、すぐに返してちょうだい、返してちょうだい!」
「僕あっ....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
の部屋へたどりつくと、高熱を発して寝こんでしまった。何一つ語り合う間もなかった。
夜っぴて看病して、翌朝は影のように生色を失って、社へかけつけると、せつ子に会って....
「桜の園」より 著者:神西清
さっぱりわからん。読んでるうちに寝ちまった。(間) ドゥニャーシャ 犬はみんな、
夜っぴて寝ませんでしたわ。嗅ぎつけたんですわね、ご主人たちのお帰りを。 ロパーヒ....
「可愛い女」より 著者:神西清
て星ばかり眺めていた。そんな時には彼女は自分の身を、鶏小屋に雄鶏がいないとやはり
夜っぴて眠らずに心配しつづける雌鶏にひきくらべてみるのだった。クーキンはモスクヴ....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
う云ったが笑い出した。 「こいつァ無理だ、訊く方が無理だ、寝ずの番だって人間だ、
夜っぴて起きていた日にゃア、明け方には眠くなるからねえ、そんな細かい変梃なことに....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
七瀬も、綱手も、坐り直した。
「無茶なことをなさるじゃあござんせんか――昨夜は、
夜っぴてでござんしょう。あの雨の中、もし、風邪でもひいたら、一体、どうなさるんで....
「かもじの美術家」より 著者:神西清
さまペチカの掻取り口で燃やして、余人はもとより当の縞服の婆さんにさえ口外せずに、
夜っぴて神に祈りをささげた。それもわが身のことは一さい口にしないで、ただもう男の....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
。それよりホテルへ帰ったら、着物を着換え私と一緒に行こうではないか。別嬪がいて、
夜っぴて踊れる好い処へ案内するから」と云うのだ。そうして鞭ばかりを頭上で勇ましく....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
内心はやはり、客のことが気になってしかたがなかった。 ベッドにはいってからも、
夜っぴて大きなかぶらのようにまっ白な、ぶきみな顔に追いかけられる夢をみて、うなさ....
「かもめ」より 著者:神西清
に、ひとつパパにお願いしてみてはくださらんか。やけに吠えるでなあ。おかげで妹は、
夜っぴてまた寝られなかった。 マーシャ ご自分で父におっしゃってくださいまし、あ....