夜となく昼となく[語句情報] »
夜となく昼となく
「夜となく昼となく〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夜となく昼となくの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
取りもせず、倉地にすり寄って、その両肩に手をかけて、ぴったりと横顔を胸にあてた。
夜となく昼となく思い悩みぬいた事がすでに解決されたので、葉子は喜んでも喜んでも喜....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
突然きゃっというかと思うと、いきなりげらげらと笑ってみたりしてね、いちんちじゅう
夜となく昼となく髪をおどろにふりみだしながら、屋敷じゅうをうろうろしてるとかいい....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
雪渓の下に眠っているのなら――あゝ、野村君、僕はあの呪われた速記を読んだ時以来、
夜となく昼となく、この妄念につき纒われたのだ。 僕は、仮令それが気違いじみてい....
「巨男の話」より 著者:新美南吉
男《おおおとこ》の眼《め》に涙《なみだ》がありました。 巨男《おおおとこ》は、
夜となく昼となく歩き通して、家を出てから七日目に、めざす都《みやこ》に着きました....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
てしまったという話しも聞いた。 大地震のあとはいつもそうであるが、当分のうちは
夜となく昼となく地震がある。それで家に落着いては居られぬので、その夜から門前に戸....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
なたさまも知って頂きたい)その人間だか、何だか、とにかくあの書斎の中にいる者が、
夜となく昼となく、何かある薬をほしがってわめいているのでございます。そしてそれが....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
が明けたのか、誠や聖人に夢なしとか、心の清らかなる人に夢のあるべき筈はない、我は
夜となく昼となく夢現に心を痛め、さながら五臓を掻きむしらるゝの思い、武士の家に生....
「狂女」より 著者:秋田滋
こへ連れていってしまったのだろう。それは絶えて知るよしもなかった。 それから、
夜となく昼となく雪が降りつづく季節が来て、野も、森も、氷のような粉雪の屍衣のした....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
残骸――人間の影であった。私は腑抜けになってしまった。私は骸骨でしかなく、しかも
夜となく昼となく熱が私の体を衰弱させるのであった。 それでも、私がいらいらして....
「亀の子を握ったまま」より 著者:田中貢太郎
だよ、お待ちよ」 と云ったり、時とすると、 「亀、亀、大きな亀だ」 と云って
夜となく昼となく其の附近を狂い歩いていたが、某日、村の農夫が亀ヶ淵へ往ってみると....
「姫柚子の讃」より 著者:佐藤垢石
口にある。遠く海に突きだした突堤が、二、三千メートルもあろうか。その突堤の上に、
夜となく昼となくいつも二、三百人の釣り客が竿と糸とを操っている。これから次第に秋....
「握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
級、C級と混合していないのが特色である。 A級にあらずんばB級といった具合で、
夜となく昼となく、すさまじい勢いで繁盛この上もない。おそらく東京にある寿司屋をし....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
ド申上げて、先生はおイヤだったかも知れません。もう簡単に切り上げますが、そうして
夜となく昼となく思い詰めながら、二度の夏を……一昨年と去年と、二度の夏を送ってし....
「北海の白鳥」より 著者:小川未明
御殿にいて王さまのお相手をして、琴や、笛や、妙なる鳴り物の音と朗らかな歌の声は、
夜となく昼となく、雲間に洩れたのであります。 王さまは、まったく幸福でありまし....