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夜な夜な
「夜な夜な〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
夜な夜なの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
で、短夜を芥火《あくたび》の影にぬすむ、こじき法師の群れであろう。あるいはまた、
夜な夜な、往来の人をおびやかす朱雀門《すざくもん》の古狐《ふるぎつね》が、瓦《か....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
そうに仰有《おっしゃ》いましたが、その後また、東三条の河原院《かわらのいん》で、
夜な夜な現れる融《とおる》の左大臣の亡霊を、大殿様が一喝して御卻《おしりぞ》けに....
「貉」より 著者:芥川竜之介
、同じ村の汐焼きの男と恋をした。が、女には母親が一人ついている。その目を忍んで、
夜な夜な逢おうと云うのだから、二人とも一通りな心づかいではない。
男は毎晩、磯....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
問い合せた上、早速愛染院に書き直させた。第三に、八月上旬、屋敷の広間あたりから、
夜な夜な大きな怪火が出て、芝の方へ飛んで行ったと云う。
そのほか、八月十四日の....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
四人の弟子たちに言い聞かせた。 「千枝太郎の訴えで何もかもよく判った。かの古塚へ
夜な夜な詣る怪しの女はまさしく玉藻に極わまった。察するところ、かの古塚のぬしが藻....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
かばかしい。それにアルプスの中はいいが、末には食糧に困るぞ」 「うん、そのときは
夜な夜な下山して、あの怪物狩をして、あべこべに彼等の肉でフィッシュ・フライを作っ....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
もなりかねない今日この頃では、敬蔵もうっかり自分の言葉癖は出しにくかった。父娘は
夜な夜な「最後の晩餐」という敬虔な気持で言葉少なに美味に向った。 いったいが言....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
その年も、まちがいなく師走に入って、三日という日が来た。その頃、この江戸には
夜な夜な不可解なる辻斬が現れて、まるで奉行も与力もないもののように大それた殺人を....
「人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ました。たまにそれを見たものは、はくちょうがつばさをひろげたのだとおもいました。
夜な夜な、船にかがりをたいて、りょうに出るりょうしたちからも、ひいさまはたびたび....
「池袋の怪」より 著者:岡本綺堂
左のみ怪しむにも及ばぬ事と、最初は誰も気にも留めずに打過ぎたが、何分にもその蛙が
夜な夜な現われると云うに至っては、少しく怪しまざるを得ない。しかも日を経るに随っ....
「河童小僧」より 著者:岡本綺堂
噺し申そう、慶応三年の春も暮れて、山王山の桜も散尽くした頃の事で、彼の溜池の畔に
夜な夜な怪しい影がボンヤリと現われる。もっとも其頃の溜池は中々広いもので、維新後....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
言明するところでは、この騎士の死体はこの教会の墓地に埋葬されているが、その亡霊は
夜な夜なもとの戦場に馬を駆り、頭をさがすのである。亡霊が夜半の疾風のように速くこ....
「荘子」より 著者:岡本かの子
、褒※魚を生きたままで持参して見せて呉れとねだった。その魚は常に西海に棲んで居て
夜な夜な東海に通って来る魚だなぞと云われて居た珍らしい魚であった。この魚に就いて....
「平家蟹」より 著者:岡本綺堂
れ、見られい。唐天竺日本にあらとあらゆる阿修羅の眷族を、一つところに封じ籠めて、
夜な夜なかたきを呪うて居りまするぞ。やがてその奇特を……。 (この時、俄かに風ふ....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
、「開国始末」で冤を雪がれた井伊直弼の亡霊がお礼心に沼南夫人の孤閨の無聊を慰めに
夜な夜な通うというような擽ぐったい記事が載っていた。今なら女優を想わしめるジャラ....