夜の帳[語句情報] » 夜の帳

「夜の帳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

夜の帳の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
一万二千尺の富士であったが、今はその富士も眠っていた。眠っていよいよ尊げに見え、夜の帳に引き包まれて益々美しいその姿は「聖壇」から真正面にあった。富士の胎内の神....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
の年で、その秋に鉄幹と恋愛を通して結婚した。 『みだれ髪』はその年に出版された。夜の帳にささめき尽きし星の今を 下界の人の鬢のほつれよ 歌にきけな誰....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
人目をはばかる落人にとっては、これこそまたとない機会だ。うっかりしていると、すぐ夜の帳が落ちかかるからな。暗くならない内に、私は国境いを越して、出来ることなら、....
一ノ倉沢正面の登攀」より 著者:小川登喜男
っと沈んで行く夕日を見つめていると、激しい疲れと同時に何かしら淡い哀愁を覚える。夜の帳は迫っている。短い休息をとると、山の脊に付けられた歩きにくい道について、南....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
の明るい紺青の海ももうまったくの、ドス黝さに変っているのです。 もう間もなく、夜の帳も降りるでしょう。暮れるに間のないこの夕暮れ眼がけて、この見知らぬ高原へ飛....
私本太平記」より 著者:吉川英治
燎の火を、途上で、こちらの脂燭に移し取った騎馬の使者は、それを先に持ち帰って、初夜の帳の燈台に点火しておく。 さて。――輿が聟館に入れば、嫁方には実家女臈、聟....